K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

末冨健夫:フリージャズ&フリーミュージック1981~2000:開かれた音楽のアンソロジー (2021)

フリージャズ&フリーミュージック1981~2000:開かれた音楽のアンソロジー(ディスクガイド) 作者:末冨 健夫;金野 吉弘;河合 孝治;小森 俊明;漆舘 登洋,斎藤 聡;織田 理史;川口 賢哉;近藤 秀秋;牧野 はるみ,大木 雄高 TPAF Amazon カンパニー社の偏…

昭和という空間に生きる勝新太郎(大映映画スチール写真集、天才 勝新太郎)

今朝、ふっと勝新太郎のビデオを流したら、就業意欲が急降下した。平日の朝に、見るものでがない。Amazon Primeの「シネマコレクション by KADOKAWA」に登録すると、昔の大映映画を見ることができるのだ。 いつだったかテレビで、「兵隊やくざ」をみて勝新太…

小岸昭: 中国・開封のユダヤ人 (2007) 宋代に中国に移住したユダヤ人の遺民

中国・開封のユダヤ人 増補版 作者:小岸 昭 人文書院 Amazon 近年、少数民族政策の不寛容さが目立つ中国であるが、それは中国共産党政権の特性なのか漢民族の特性なのか、どうだろうか。 筆者は勿論、香港政策を含めた近年の行き過ぎた統制を懸念するもので…

メロディヤ・ジャズに興味があるのではなく

帰宅したら届いていた本。 メロディヤのクラシック盤には、大いに興味があって、キリル文字を乗り越えて入手している。 ソ連のジャズには全く興味がない。じゃあ、なぜこの本なのかって云うと、カンパニー社の偏執的な編集にやられている、に違いない。読み…

最近届いたレコード(行方不明からの復活?)

トータス2枚。12月に注文、即発送。その後、行方不明に。2月に日米それぞれで郵便当局に調査依頼。3月に日本郵政から「米国に聞いたが、返事がない」との哀れな返答。諦めていたが4月に突然到着。船便でも地球2周はできたな。 後はブログでもアップしたが、…

NHK-FMジャズ・トゥナイト/アルバート・アイラー、そして細田成嗣「AA 五十年後のアルバート・アイラー」(カンパニー社)時代の手垢を落としたアイラーの再評価年

プレーヤー | NHKラジオ らじる★らじる --------------------------------------------------------- テレビもラジオも、他人に時間管理されるような感じが嫌いで、見たり聴いたりする習慣は、この30年くらいなかったように思う。 ジャズを聴きはじめた頃は…

正津勉:つげ義春「ガロ」時代 (2020) まずまず美味しいスルメ

つげ義春: 「ガロ」時代 作者:勉, 正津 発売日: 2020/11/25 メディア: 単行本 レコードの場合はジャケット買いだけど、これは表紙買い。昔の2色刷漫画本をデフォルメしたような赤一色。「紅い花」の少女、完璧じゃないか。 正津勉とつげ義春は詩誌(すばる、…

シティ・ソウル ディスクガイド(2018) 手頃なガイド本

シティ・ソウル ディスクガイド シティ・ポップと楽しむ、ソウル、AOR & ブルー・アイド・ソウル 作者:小渕晃,梶本聡,駒木野稔,関美彦,高木壮太,高橋一,林剛,福田直木 発売日: 2018/05/18 メディア: 単行本 結構、1970年代のソウルが好きでレコードも時たま…

上村二男:ジャズレコードブック フリージャズ(弐,参) 古レコードにも古書にも縁があって

先日、ジャズレコードブック フリージャズを入手。ジャケット写真と演奏者のcreditのみというストイックな「奇書」。その圧倒的な情報量に目眩、だった 偶然なのだけど、この本が届く直前のtweetで、続編の存在を知った。やれやれ。 第二巻は欠品してますが…

上村ニ男: ジャズレコードブック フリージャズ(1985)

先般のカンパニー社の「日本フリージャズ図説」は随分な労作で、仕上がりの良さも相まって、愉しめる本になっている。解説はなく、わかる人にはわかる(わからないのも多い)一行コメントが洒脱で、微妙にディスクガイドから逸脱して、これまたマニア的心情を…

ささくれた気分だから

枕元に山の本を並べて、頁をめくりながら、寝床で微睡みたい。

自由爵士音盤取調掛: 日本フリージャズ・レコード図説(カンパニー社)

日本フリージャズ・レコード図説 作者:自由爵士音盤取調掛 発売日: 2020/10/18 メディア: 単行本(ソフトカバー) これは日本のフリージャズのレコードに関する決定版とも云うべき書。その意味では、田中啓文の「聴いたら危険! ジャズ入門」とともに、この…

Art Pepper: Living Legend (1975) ほとんど児山紀芳「ジャズのことばかり考えてきた」のこととコンテンポラリーのこと

Art Pepper(as), Hampton Hawes(p), Charlie Haden(b), Shelly Manne(ds) Recorded August 9, 1975 at Contemporary's Studio in Los Angeles

トーマス フィッタリング: セロニアス・モンク―生涯と作品 (2002) モンクをもう少し知りたかったから

セロニアス・モンク―生涯と作品 作者:トーマス フィッタリング 発売日: 2002/06/01 メディア: 単行本 モンクをもう少し知りたかったから、適当な本を探してみた。村上春樹編のアンソロジーは、モンク・ファンの熱度が高く、ちょっと距離感が無い。すごくユニ…

池畑修平: 韓国 内なる分断: 葛藤する政治、疲弊する国民 (2019, 平凡社)

韓国 内なる分断 (平凡社新書0917) 作者:池畑 修平 発売日: 2019/07/12 メディア: Kindle版 Kindle版でのバーゲンで入手。本も物理的なマテリアル重視派なのだけど、眼が弱っているので、Kindleの有難みを痛感する。(CDの本質はディジタル・データなので配…

週末は偽書モノで

週末は偽書モノで。今日届いた本。 東日流外三郡誌は、そもそも中世の十三湊での繁栄が言われても、明確な史書がない間隙を突いた形だったように思う。近年の蝦夷の歴史、考古学の進展には驚く。 そもそもが怪しげな佐治本で知ったんだけどね。フリーメイソ…

ありえない既視感を旅するための本(季刊・ジャズ費用別冊:私の好きな一枚のジャズ・レコード 1981年)

[さらに追記] 昨日届いた1981年の別冊は、1978年の30号と1980年の36号の特集を合冊したもの、ということが分かった。当時購入したのは36号。半分は読んだ記事なので既視感、だった訳だ。1978年の30号は最近入手したので、まだ読んでいない。 眺めていると実…

与那覇潤:知性は死なない(2018)

知性は死なない 平成の鬱をこえて (文春e-book) 作者:與那覇 潤 発売日: 2018/04/06 メディア: Kindle版 中国化、というキーワードで強い印象を残した著者が、鬱病を経て出版した著書。 近著である「歴史が終わる前に」、「荒れ野の60年」で、この今現在の時…

蔵前仁一: 失われた旅を求めて(2020) 束の間の平和の記録

はっと気がついたのは、冷戦終結から10年くらいしか、旅行者にとって「広がった世界」はなかった、ということ。束の間の平和の記録、なのかもしれない。

海保嶺夫:エゾの歴史(1996)、瀬川拓郎:縄文の思想(2017) 境界の民のこと

エゾの歴史―北の人びとと「日本」 (講談社選書メチエ) 作者:海保 嶺夫 メディア: 単行本 日本人であること、の意味を多面的に知るためには、その境界的な領域を知ることは興味深い。文化的、歴史的、言語的、民俗的、政治・法制的にその意味を徹底的に相対化…

嶋護:ジャズの秘境(2020) ジャズを聴く愉しみを再確認させる本

ジャズの秘境 今まで誰も言わなかったジャズCDの聴き方がわかる本 作者:嶋護 発売日: 2020/01/24 メディア: 単行本(ソフトカバー) 面白いジャズの本を読んだ。ジャズを聴く愉しみを再確認させる本だ。 著者とは必ずしも音楽の好みが近い訳ではないのだけど…

変わる生活・変えない生活

テレビを消そう。気持ちが荒んでくるから。見なくたって、もう変えなきゃいけない生活は何なのか分かっているのだから。 そして変えたくない生活も分かっているのだから、寝間にタブレットは置かない。本の山を置く。就寝前と起床後は、時空を自由に行き来し…

芸術新潮 2020年4月号 第2特集「つげ義春フランスを行く」

芸術新潮 2020年 04月号 発売日: 2020/03/25 メディア: 雑誌 今年1月末につげ義春がフランスに行った、漫画祭での受賞で。 30年以上前から休筆している彼がまだ健在だという、近年の雑誌記事にも驚いたが、フランスへ出かけた、という話に驚愕。 休筆の頃は…

楊海英: チベットに舞う日本刀 モンゴル騎兵の現代史 (2014) 自分が戦後生まれであること

チベットに舞う日本刀 モンゴル騎兵の現代史 作者:楊 海英 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2014/11/13 メディア: 単行本 正月の読書を今頃。 楊海英の本を読むのは、高校生の頃に読んだ西川一三の西域潜行記の続編を読むような、内なるオリエンタリズム…

COMICばく 最終号 (1987年) つげ義春の最後の漫画掲載誌ではなかった

夜久弘編集のCOMICばく最終号。つげ義春の漫画が最後に掲載された雑誌。 つげが書けなくなって、神経症の昂進により、雑誌は終わった。 当時、つげの新作と知り1号から買い揃えたが、登山に一生懸命だった頃、2号ばかり買い損なっての休刊だった。その2冊が…

新着レコード他

忙しくしていても、届くレコード。 森山威男の西独でのライヴ。ENJA盤。榎本、井上の2テナーにベース、ドラム。解き放たれたような音の飛翔感がよい。 コモラフェ?のアルバム。Strata-eastのMtume的な音を期待。 タージマハル旅行団。原盤は高価なので再発…

subscription時代のディスク・ガイドの使い方

subscription時代に入ってspotify, Amazon HDを利用している。spotifyはラジオとして使うと楽しい選曲をしてくれること、amazon HDはHigh resolutionの配信をやってくれること、で使っている。だからamazon HD対応音源がある場合、CDは買わない。 結局、stre…

尾川雄介: インディペンデント・ブラック・ジャズ・オブ・アメリカ

随分と前に入手した本。 ボクは1979年にジャズを聴きはじめた。だからアルバムのscopeが1976年あたり、1970年代後半から1980年代前半あたりに強くある。その時期のアルバムは随分と聴いたし、血肉のように感じる。 この本で取り上げている1970年代前半のStra…

アート・リンゼイ 実験と官能の使徒(2017)

アート・リンゼイ、はじめて聴いたのはラウンジリザーズだったか。あのギターには驚いた。 そのあと、アントン・ファイアーのアルバムだったか。ずっと意識の周縁で、ノイズを出し続けている。何だろう、アレは。

OUT TO LUNCH

ボクにとってのドルフィーはLast Date。20代の仕舞い方の頃に、ディスクユニオン関内店で手にした蘭フォンタナ盤(ステレオ)にスッカリ魅了されて、なのだ。その前にはウォルドロンとかリトルとのセッションは聴いていたが、そこまでは魅了されなかった。確…