K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

1978

Air: Open Air Suit (1978) 「外れ」がないArista Novusから

カルフォルニアで購入したレコード。今回、一番高価な$10である。スレッギルらのエアーは、見かけたら入手している。これは初めてみかけたかなあ。マイケル・カスクーナのArista Novus。ジョン・シュナイダーのArtist Houseと同じく、「外れ」がない印象なの…

清水靖晃: Get You! (1978) 1970年代後半の懐かしい音

清水靖晃は硬質なテナーの鳴りが好きで、昔、日野元彦の流氷なんか良く聴いていた。1980年代に入ってからのアルバムのエキゾティズムも好きで、何となく関心を維持したまま40年近く経っている。 という訳で、ぼちぼちとアルバムも入手している。これは和製ス…

Ran Blake: Rapport (1978) ブレイクと各奏者のひそひそ話しのような

名古屋のバナナ・レコードでの購入レコード。400円の典型的な安レコードで、日本盤。これがよかった!このレコードの日本盤が発売されたのが1979年(今の惨状からすると信じられない)。丁度ジャズを聴き始めた年。スイング・ジャーナルを隅から隅まで読む、…

Jim Hall, Red Mitchell: Valse Hot - Sweet Basil - 1978 (1978) 落ち葉拾いと思うことなかれ

いつだったか、新宿のDUで買い求めたもの。何となく、ライヴの残テイクって、落ち葉拾いのようで、曲数が増えても感動は増えないよな、って思うこともあり、最近は手を出していない。もうマイルスのコロンビア残テイクシリーズも懲りて手を出していない。正…

寺下誠: The Great Harvest (1978) 美味しいディスクユニオンの再発シリーズ

寺下誠の名前はグロスマンの凄まじいライヴ、で知った。グロスマンも凄いのだけど、ピアノも凄い。マッコイのドライヴ感そのもので走り抜ける。 それから気になっている奏者。リーダ・アルバムが出ていると知った。レコードが出てくるのをじっと待っていたが…

Joe Pass and Paulinho Da Costa: Tudo Bem! (1978) パスと「あの系統」の音の相性

これも安レコードなのだけど、パブロの独盤ということで、即、手が出た。パブロは米盤、日本盤、独盤といずれも音が良い。音圧が上品に高く、奏者がぐっと寄ってくる。そのなかで、米盤は力強く、やや歪み気味かな、日本盤はバラスが良く、でも印象が弱いか…

Andrew Hill (1978) 音響空間ということ

昨日のヘンダーソンが存外に響かなかったので、他のBNアルバムを聴いていくと、アンドリュー・ヒルが入っている作の方が断然いいと思った。何だろう。やはり、モンクと同じような「ある種のピアニズム」を、モンクと異なる形で表出させていることにある、と…

阿部薫, 豊住芳三郎:Overhang-Party (1978) 音の美しさを

阿部薫, 豊住芳三郎:Overhang-Party (1978, ALM Records)A. Improvisation 4--August 5 (28:10)B1. Improvisation 2--August 5 (12:09)B2. Improvisation 3--August 5 (11:33)C. Improvisation 1--August 5 (28:06)D. Improvisation 1--August 13 (24:27)阿…

Gil Evans: Gil Evans Live At The Royal Festival Hall London 1978 (1978) 菊地雅章のパーカー

これも、お茶の水購入盤。最近になって持っていないことに気がついたもの。同じライヴの別テイクがMole jazzから出ていて、混乱していた。パブリック・シアターとあわせ、菊地雅章参加盤なのだ 公式盤としては、Now comes the time以来らしいが、続々出るこ…

Derek Bailey: Duo & Trio Improvisation (1978) 音のことについて

帰国して、早速聴いた。やはり、空間的な音の造作が素晴らしくて、聴き惚れてしまった。 人の意識の分解能に近い、速度でのベイリーの音の変化、そして楽器のボディを含めた共鳴音のようなものが空間を広げる。 実はこのセッションはCDでも出ていて、収録セ…

Evan Parker: At The Finger Palace (1978) 楽器表現の極北

30年振りにレコード盤に針を載せた。ある時期から、この手の音楽は全く聴いていない。 改めて聴いてみて驚くのは、今、聴いてみると音の洪水、という程でもないし、むしろ楽器の限界まで音を出す行為がとても生々しく、面白く聞こえる。ジャズという音楽ジャ…

Miles Davis: STUDIO SESSION 1978(1978) 存在で主張するのでなく、存在を消して主張する

ここ1年くらい、菊地雅章の音が気になって仕方が無い。あの個性に掴まれた、のだ。ECMのレコード聴きと並行して、ゆっくり菊地雅章と向き合っていきたい。 ボクにとっても菊地雅章は彼の音と同じで、音と音の間の無音そのもの、じゃないかと思う。存在で主…

Dave Valentin: Legends (1978) GRPの音

最初に買ったSJ誌(1979年の6月くらいじゃなかろうか)の記事でヴァレンティンを知った。でも、彼をはじめて聴いたのは20年くらい後。この初リーダ作を買ったのは先日のフェニックス。$1.99だったしね。 当時、どうもナベサダのグルーシン路線が合わなかっ…

Charlie Haden, Christian Escoude: Gitane (1978) 図太いベースを聴くレコード

先に云ってしまうと、1991年に仏Dreyfus Jazzから再発されたCDを持っていて、愛聴盤。ジャンゴ・ラインハルトの後継者、というと今ならば、ビレリ・ラグレーンとか、このクリスチャン・エスクーデ(二人ともロマ、のギター奏者)。ヘイデンとエスクーデで、ジ…

Louis Stewart: Milesian Source (1978) 1970年代の香しさが存分に詰まった円盤

先日、新宿のディスク・ユニオンで手にしたLouis Stewartのアルバムに魅了されてしまった。 という訳で、早速、オークションで1970年代のアルバムを入手。Pyeレコードって、英国時代のマクラフリンの「前衛的なアルバム」(ジョン・サーマンとやってるヤツ)…

Richie Beirach・富樫雅彦: Kahuna (1978, Trio) 27分24秒の演奏会

正直に云うと、演奏の良し悪しが分からない。そんな指先で軽く紡ぐコトバで上手く表現ができない。 27分24秒の演奏会に座っていた、ような感覚。眼前で行われたピアノ・ソロが13分15秒、そして打楽器とのデュオが14分9秒。CDとかLPレコードといったオトの物…

浅川マキ:ライヴ夜(1978)声の湿度、声の温度

長い間、困惑していた。日本のジャズ(和ジャズって言い方には違和感が強い)を聴いていくと、その終着駅のように浅川マキのアルバムが遠くに見える。そして、伝え聞くその駅の噂は暗く、荒れている。だから、途中下車し、その駅には行かなかった。 それでも…

Pat Martino: Alone Together(1977-78) デュオという名のソロ

最近は古いLPレコードに熱を上げているのだけど、新しい録音も最低限の目配りをしている(積り)。 先日、マルティーノの新譜を見つけてあわてて買ったのがコレ。到着前に工藤氏のブログを見て愕然。古いプライヴェート録音で音質も今ひとつ。あれまあ。 そ…

Jim Hall Red Mitchell

このアルバムは1978年のSweet Basil(NYのVillage Vanguardの近所だった)でのライヴ。2人のデュオ。一時、ジョン・シュナイダーのレーベルArtist Houseが気になって集めたもの。

Martha Argerich: Live From The Concertgebouw

Bartók、Ginastera、Prokofievの流れは、是非ともFree Jazz、それもヨーロッパあたりの理屈っぽい音が好きなジャズファンには、絶対聴いて欲しい音が続く。

James Blood Ulmer: Tales of Captain Black

Punk Jazz (明らかにP-Funkを意識していたと思うけど)なるもので面白いと思ったのが,James Blood Ulmerの"Are you glad to be in America?"(UKのレーベルRough Trade)や一連のColumbia盤とか,Josef BowieのバンドDefunktとか,すきっと小難しいこと抜きのFu…

Charlie Haden : Gitane

Keith JarrettのAtlanticの駄盤のなかのChaelie Hadenの蜜だけを集めた感があるアルバムが仏DreyfusのGitane.時期も1978年なので,丁度Keith JarrettのAmerican Quartetをやめた頃じゃないかな.あの頃のHadenの好きな演奏の空気がたっぷり詰まっているので…

Woody Shaw: Stepping Stones

ボクにとって特別なアルバム。 まっすぐな70年代ジャズの熱い名盤。はじめて聴いたのは京都にあった52番街というジャズ喫茶。すぐ十字屋まで買いに走った、ことがつい先日のように思える。 これを聴くとヴィレッジヴァンガードではなくて、京都のあのジャ…