K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

2014

rabbitoo: national anthem of unknown country (2014) 今年よく聴いたアルバム

昨年秋、秋のアキ(だったか)ツアーで金沢・もっきりやに来た高瀬アキバンドのドラマーが田中徳崇さん。その後の日野皓正バンドでもそうだったけど、切れのよい変化自在なドラムが素晴らしかった。そんなことをネットで申し述べしていたら、新潟のSさんから…

(ECM2428) Gary Peacock: Now This (2014) 走馬燈、というコトバが

12月に入った。今年の*枚、のような記事が見えはじめると、押し迫った感じに、やはり押しつぶされそうな気分になる。年末は苦手、なのだ。 ボクの場合、あまり沢山の新譜を聴いていないので、今年の*枚、は書けないのだけど、メルドーのソロの圧倒的な迫力…

Deep Tone Project: Flow(2014) ウクライナのジャズ

以前、ディスクユニオンに出かけたとき、試聴して気に入ったアルバム。ウクライナのジャズ、だそうだ。 ポップにはECM好きには、ということだったので試聴したのだけど、確かにECM的ではあるが、やや暖かめ。また尖った感じは全くなく、穏やかで聴きやすい。…

(ECM2470-72) Anthony De Mare: Liaisons: Re-Imagining Sondheim From The Piano(2010-2014)

これはECMのNew series。クラシック、現代音楽のシリーズ。先般のティグラン・ハマシアンのECM作品は、このNew seriesではなかったが、古楽と現代音楽を合わせたような典雅なもので、 New seriesと思わせるような仕上がりだった。このアルバムは明らかにジャ…

Mark Guiliana: Beat Music / The Los Angeles Improvisations (2014) コラージュ前のおもちゃ箱

この数年で一番昂奮させられた演奏、の一つがMark Guiliana。昨年末、彼のBeat Musicバンドを聴いたが、緻密で電子音と間違うような正確なドラミングと意表を突く切り返しの連続で、異次元のリズムの洪水、のなかにいた。その後に聴いたメルドーとのデュオで…

Fred Hersch: Solo (2014) ピアノという楽器と柔らかく戯れ続ける姿の記録

ボクはいつも、何かに憑かれたように熱中し、そして、その熱中自体に飽きがきて、冷めていく。その繰り返し。そして思い出したように再び気にかけたりする。その繰り返し、のような気がする。 ハーシュ聴きも数年前に熱中。随分アルバムを入手した。そして東…

(ECM2447) Tigran Hamasyan, Yerevan State Chamber Choir: Luys I Luso (2014) 東方教会のこと

音楽的な話の前に、このアルバムで歌われるアルメニアの宗教曲の背景となる中東のキリスト教について。キリスト教はパレスチナの地に生まれ、その後欧州で広く受容された訳だけど、イスラム教に席巻される前の中東地域にも広く流布しており、その名残は今も…

(ECM2450) Keith Jarrett: Creation (2014) 5月3日のまぼろし

昨年の5月3日、ボクは大阪にいた。そして、まぼろしとなってしまった音、をいつまでも追いかけていた。 このアルバムは昨年行われたキース・ジャレットのソロコンサートの記録。その会場のひとつである大阪フェスティバルホールで、心ない客のため、何回か再…

Toninho Ferragutti: O Sorriso Da Manu (2014) 成田のラウンジで聴きながら、

最近は南米音楽のアタリが良い。SNSや特定のdistributor、ラティーナの雑誌をみながらyoutubeやsoundcloudで試聴して発注する訳だから手堅いのだけど。改めて21世紀的な消費行動だなあ、と思う。 サンフランシスコから成田への長いフライトで、時折、聴いて…

吉田サトシ:Memento (2014) 懐かしのフュージョン風

2年くらい前かなあ、五十嵐一生さんを金沢・もっきりやで聴いた(ここ)。彼の出身地の山中の同窓生が近所の呑み友達といった関係で、もっきりやの窓際でワイン呑んで騒いでいたのは我々(スミマセン)。 そのときは、ギター、ベースのうえでトランペットとい…

D'Angelo and the Vanguard: Black Messiah (2014) 黒い音楽、白い音楽

同じジャズを聴いているといっても、大括りで見ると、頭の中で黒い音楽と白い音楽の2つの分類があって、それぞれ全く違う関心・好奇心で聴いているように思える。黒い音楽、を聴くアタマでは身体的な躍動・肌にまとわりつくような、汗のような感触を愉しむ…

Kenny Barron, Dave Holland: The Art of Conversation (2014) 素晴らしいデュオなのだけど

素晴らしいデュオなのだけど、.........という表現しか思い浮かばない。 二人ともとても好みの奏者。ケニー・バロンはこのあいだ金沢で聴いて、ベニー・ゴルソンのムード・テナーの伴奏に徹するのを聴いて涙、だったのだけど。それはともかく、彼は…

Vanessa Moreno e Fi Marostica: Vem Ver (2014) 柔らかい声とベースのデュオ

最近買うCDは南米音楽が多い。だから神楽坂の大洋レコードから定期的にメイルマガジンが届くのだけど、読むと聴きたいアルバムが増える難がある。すぐ手が出てしまう。このアルバムも、そんなことで入手。ジャケットの写真がとても良くて、音が想起できるよ…

Federico Arreseygor : Detràs De La Medianera (2014) 21世紀に生まれる音

確かに21世紀に生まれる音、なんだろうと思う。1970年代のジャズが示した可能性、様々な音楽を移植し、遺伝子操作を行うプラットフォームとしてのジャズ、が21世紀に入って存在感を増しているように感じる。かつて、クロスオーバーとかフュージョンとか呼ば…

Silvia Iriondo:Anonima - tributo a Leda Valladares (2014) 駆け抜ける秋の

本当に仕事が山積していて、果てがない。とは云え、遊んでいない訳でもないのだけど。気持ちが塞いで、時間の流れにあがなえない感じ。 それでも、いや、それだから、いろいろなアルバムに手が出て、仕事場でも音を垂れ流している。夏がお仕舞いになってから…