Jazz (bass)
云わずとも知れたミンガスの遺作。 当時、ミンガスは幾つかの盤を聴いて、あの奇妙な味、がダメで遠ざかった。怒りの表現、とジャズ入門本に書かれていたような盤。 今は60年代の盤を中心に聴くのだけど、子供が酒肴がダメ、という類いと同じなのかもしれな…
素晴らしい。それ以上のコトバを必要としない。タイトルのとおりThe flow of spirit が眼前に広がる。 ホモサピエンスの出アフリカの頃、5万年くらい前だろうか。ウィリアム・パーカーの祖先と分かれた残り2人の祖先はシナイ半島の北部へ向かった。そして…
こういうアルバムは、いきなり感情の裏側まで音が入ってくるので、どーだこーだという小賢しいコトバを撥ね付ける力がある。それが彼らの技量なのか、それとも同じようなテレビの音楽番組を子供の頃みたからなのか、わからない。もちろん、技量ではあるのだ…
ニューヨークにはじめて出かけたのは1998年の6月頃だから、思い起こすと20年も前だ。ボルチモアからの帰途に寄っているので、今と同じパターン。そのときは嵐で飛行機が欠航し、アムトラックでニューヨークへ。今回のパターンの原型。それから数年に1回来…
久々に聴いた。何となく1980年代に聴いたレコードが懐かしい。このアルバムは高瀬アキと井野信義のデュオ。まさに天衣無縫に好きな音を紡いでいる。声を出したいときは声を出し、いろいろな楽器を鳴らしたりもしている。そこには音で遊ぶ空間が広がっていて…
BBGなどでハン・ベニンクと共演しているベース奏者エルンスト・グレラムの「オムニバス」シリーズ一枚目。ハン・ベニンク狙い、なのだけど、そこを離れてもイケるアルバム。ベニンクやメンゲルベルクらと共有する「あの空間」での現代ジャズ、なのだ。グレラ…
twitterのtime lineで懐かしくも希にしか見かけない名前が流れた: ビュエル・ネイドリンガー、だ。追悼記事だな、と思った。 ボクはセシル・テイラーとの共演盤で知るのみ。上記記事でも同じトピックス。半世紀以上前の活動がピークだったのか。 Buell Neid…
[追記]これは典型的な残念なレコードだったのだけど、今度は「レコード水拭き」を行い、再びトライ。 固いピアノの音が開いたような気がした。悪いCDのような音だったのだけど、レコードらしいスッキリした音になった。 一方、CD(ディジタル音源)について…
昨日届いたレコード。英waveのルイス・スチュワートとピーター・インドのデュオ。先日、新潟のJAZZ FLASHでインドのレコードを聴いていたときに、同行のSさんがモゴモゴ云っていたモノ(我々の世代は記憶喪失との闘いなんです)に違いないと入手。 そもそも…
先週、新潟のジャズフラッシュで聴いて(見て)、ジャケットが格好良かったから入手。所謂ジャケ買い、やね。勿論、内容もよい。 コニッツやトリスターノとのアルバムであるような熱くない、音楽ではあるのだけど、彼らの音が孕んでいるような緊張感はない。…
随分前に購入したレコード。バーレ・フィリップス祭り的に連続で聴いた。 ベース4人の重厚な低音に加え、打楽器を加えたことで、実に色彩豊かな音になっている。とは云え、全てがフィリップスの「作曲」であり、同じFieldの音であることを強く主張している…
最近までバーレ・フィリップスが欧州の人だと思っていたのだけど、米国の人なんだね。最初に聴いたのがECMのアルバムなので、なんとなく勝手にそう思っただけ。そうなのだけど、胴を鳴動させて大きな音を鳴らす、あの感じがそう思わせているようにも思う。 …
BandcampのAUM Fidelityのサイトで入手。元来、別レーベルの2枚組だったみたいだ。 試聴したら、もう参った。即、ダウンロード。パーカーとドレイクの組み合わせは鉄壁。外れなし。フリーとかに分類されて、広く聴かれていないのは本当に勿体ない。ジャズそ…
昨夏にAUMから直接購入して聴いていなかったCD。そのうち、Bandcampでの販売が開始され、がっかりした(そっちのほうが良かった)。 今回の出張の帰国便のなかでガッチリ聴いたが、実にいい。ウィリアム・パーカーとハミッド・ブレイクの作るビートが実に快感…
1959年生まれの3人、によるセッション。同世代なんだなあ。 前から気になっていたアルバム。昨日、友人達と寿司屋で呑んでいたのだけど、還暦前のボクが「初老」を使ったら遮られ、「老人」と云われてしまった。コトバの本来的な定義からすると正しいのだけ…
富山で入手したアルバム。ミルチョ・レヴィエフとチャーリー・ヘイデンのデュオ。1986年の録音なので、レコード最晩期。多分、そんなに沢山プレスされていないのでは、と思う。日本のアルファ・レコードの制作で、プロデュース・録音はカルフォルニアの知ら…
昨日、富山で入手したレコード。初めて見た。このFlying Dutchman、ロニー・リストン・スミス、ガトー・バルビエリとか、フリー的な味を振りかけた(後で云う)フュージョンに特長があるのかな、と思う。かつてインパルスのプロデューサーだったボブ・シール…
お盆の朝からこんなの聴くなんて、どうかしているように思えるが、予想通り良い。藤掛正隆の直球のビートをとても気に入って、続けて聴いている。ベースが早川岳晴なんで、期待しないほうが無理。 1980年頃のオーネット一派、ウルマー、タクマ、シャノン・ジ…
昨日、ボクはAEOCと縁が薄いようなことを書いた。ロスコー・ミッチェルは特にそうだ。 レスター・ボウイは、ジャック・デジョネットのバンドで聴いていたので、AEOCのなかでは一番聴いている。あの噴き出すような乾いたような音色、は好きだ。 このアルバム…
面白いアルバム。ピーコックとブレイのアルバムだけど、全てがデュオって訳じゃない。ソロも結構混じっている。 ともに音の多さで音の密度を高めようとする奏者じゃなくて、音空間を点描のように描いたり、そこを美しい音響で満たしたり。そして、ある種の現…
ジミー・ジェフリー(1921年生)、ポール・ブレイ(1932年生まれ)、スティーブ・スワロウ(1940年生)によるインプロヴィゼーション集、と云ったアルバム。生年を書いてみると、世代がdecadeづつ異なることが分かる。1960年代のトリオの時点では、40代、30代、20…
いつだったかレコード屋で見かけて購入した一枚。何となく米盤が欲しい一枚だけど、安価だったので日本盤で。まあ、いいかな、とも思う。こんなアルバムまで日本盤でフォローされていた時代が、今となっては懐かしい。 「ロフト・ジャズ運動(?)」の後、India…
ディヴィッド・トーンのプロデュース、ティム・バーンとクレイグ・ティボーン参加アルバムシリーズ(?)。ジャケットのデザインに統一感はあるが、このアルバムではアンビエントな感触が減って、その分、ジャズ的な感触が増している。その分、どきっとする…
好きな時代の好きなレーベルのジャズ。1980年前後、そしてIndia Navigatonとくれば、好物。しかし、当時はこのレコードの存在は知らなかった。こんな色合いのアルバムって、ちょっとIndia Navigatonぽくない。だから気がつかなかった、のか。 マクビー中心に…
これもティボーン聴き、の一環で集めたもの。 あまりアヴァンギャルドな感じはない、いわゆる現代ジャズっぽいアルバムなのだけど、よく聴いていると、一癖も二癖もあるようなアヴァンギャルド的な素材を組み合わせて、そんな印象のジャズに仕上げている。だ…
昼休みの音楽。田中啓文さんの本で知った2人。ばっちり好み。アフリカ回帰の素朴なライヴ。自由に音を楽しむ、それがFree musicだよね、という内容。apple musicで楽しめるのがうれしい。
ディスクユニオン大阪で手にしたアルバム。グライムスはマッコイやアイラーのアルバムで印象的な奏者で、図太い低音でドライヴする姿、あるいは空間を歪ませるように弦を弾く姿、が強い印象を残している。もう半世紀ほど前の過去の人、だと思っていたのだけ…
凄い密度だ。そして彼ら3人の味、が完全に出尽くしていて、その接点で強い相互作用、が生じている。走る、止まる、下がる、上がる、引く、そのような様々な場面を非同期でありながら、音を紡ぎ合う。
昨日のアルバムをapple musicで聴いていたら、これを推奨された。ウィリアム・パーカーとハミッド・ドレークのデュオをオーガニック・グルーヴというユニットがサンプリングしたアルバム。 まさに元トラックの「身体性」のような部分を抜き取ったような音で…
早速、田中啓文書をバイブル的に聴きはじめることにした。加齢しても謙虚で素直な性格(の積もり)。といっても、ここは大阪のホテル。仕方がないので、愛用のMacBook Airでapple music。 まずは前から気になっていた、ウィリアム・パーカーをチェック。本に…