K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Pat Martino: Muse時代の3枚(1972〜1976)を聴いた


(2009.7.8記,BLOGの引越)
今日も仕事で水道橋に出かけた後,大船を通り過ぎて,北鎌倉の細長い駅におりた.歩いて時間を過ごしたい気分,駅前の薄暗い店をやり過ごし,住宅街から葛原が岡への分岐の方角へゆっくり登る.昨日よりは穏やかな夜で,霧もでていない.住宅地を過ぎると,昨日は聞こえなかった蛙の音が響いていた.坂のうえで 民家が途切れている薄暗いなかを歩くと,昨夜と同じように,路にかぶさる藪がこおこおと音を立てて揺れている.風の通り道になっているようだ.
その先が葛原が岡の分岐.電話ボックスの明かりがみえる.そんなのあったっけ?あったかもしれないが記憶にない.そんな不安な気持ちでボックスを みると,受話器を持った頭の影が四角い電話器の向こうにみえたような気がした.近づいていく.通り過ぎてながらみても頭の影のようなものが見えるだけ.変 な気がしたが,確かめることも億劫でまっすぐ進んだ.
すぐに再び人気のない住宅地を歩く.どうも幾つか「風の通り道」があるようで,公園の樹が急に大きく揺れ鳴ったので,振り返った.再び前を見たら,老人が立っていた.唐突な感じと,あまりの気配のなさに,いやな感じがしたが,やはりまっすぐ進んだ.
別になにかあるわけでも,何か感じるわけでもないのだが,面白い土地柄で場所場所の気配めいたものを感じることは,ままある.だから夜に歩いているのだと改めて気がついた.
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帰ってSugarmegsのPat Martinoの1977年のライブを聴く.
San Franciscoの有名だったクラブKeystone Kornerでの演奏.
Pat Martino guitars
Delmar Brown: keyboards
Mark Leonard: bass
Kenwood Dennard: drums
キーボードがWeather ReportのJoe Zawinulのパクリだが,時代の音そのもので,とてもいい感じ.メンバーのうち,Delmar Brownとか,Kenwood Dennardは,だめになっていくJaco Pastoriousとの83年頃からのセッションでの共演多し(非公式版の記録多し).

この時期のPat Martino のMuseの演奏は最高.今週,何とかExitとLiveを入手.まえから持っていたConsciousnesとあわせ,iPODで聞き続けている.この なかではExitが気にいっている.どれも音を引っ張り続ける集中力は尋常じゃない.早い曲ばかりじゃなく.疲れる部分もあるのだけど,ジャズだよな あ,って音.

今,Muse原盤のPat MartinoとWoody Shawを揃えるべく躍起になっている自分をみて,業が深いなあと改めて感じる


Live (1972, Muse)
Pat Martino(g), Ron Thomas(el-p), Tyrone Brown(b), Sherman Ferguson(ds)


Consciousness (1974, Muse)
Pat Martino (g), Eddie Green(el-p), Tyrone Brown(b), Sherman Ferguson(ds)


Exit (1976, Muse)
Pat Martino (g), Gil Goldstein(p), Richard Davis(b), Billy Hart(ds)