K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Chick Corea:Now He Sings Now He Sobs

Chick Corea : Now He Sings Now He Sobs(1968, Solid State)
Chick Corea (p), Miroslav Vitous (b), Roy Haynes (ds)
1. Steps - What Was    
2. Matrix   
3. How He Sings, Now He Sobs
4. Now He Beats The Drums, Now He Stops
5. The Law Of Falling And Catching Up
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ここまでがオリジナルLPに収録,
あとはCDで追加.大盤振舞い.
6. Samba Yantra
7. Bossa
8. I Don't Know
9. Fragments
10. Windows
11. Gemini
12. Pannonica
13. My One And Only Love

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花曇りの朝なんだけど,雲があるほうが金沢らしくて安心できるように感じる.今朝は5時頃から起きて仕事の準備.そのあいだ,このアルバムを聴いていた.先週末,Kさんと宝達山に行く時に車中で聴いて,あらためて惚れ直した一枚.

ジャズの聴きはじめ(1979年)のChick CoreaはAl Di MeolaとかStanley Clarkeとの第二期RTFの終わりの頃じゃないかなあ.とにかくジャズといえばチックというくらいに,一般の学生も知っていたのだから.セントラルパークも埋まるくらいの人気だったとか.

当時スイングジャーナルの初心者手引き記事をしっかり読んでいたので,Chickといえばこれ,ということで入手し,しっかり聴き込んだ.Stan GetzのSweet Rainで弾くChick同様,言葉にできないのだけど「70年代のジャズの音・ドライブ感」がしっかり詰め込まれているのだ.30年前の若きジャズファン(僕)はしっかりコレを刷り込まれたので,未だにコレには弱い.トロッとしてしまう.

それにしてもミソはMiloslav Vitousの適当に高音をヒットさせる軽やかでキツイbass,パーカーと演っていた楽歴が信じられない若々しく鮮やかなシンバルワークのRoy Haynes.ふたりともあわせてファンに.

1990年頃だったかCDを買い直したとき,他のテイクが混じって,しかも曲順が出鱈目だったのは驚いた.Steps - What Wasで始まんなきゃね.今のCDはちゃんとしているようだ.でも,曲やテイクが沢山追加されたことは,必ずしも嬉しいことじゃないなあ,と思うこの頃.アルバムの印象--起承転結---が曖昧になるし,別に資料集を聴くんじゃないから.

どうも1990年以降,GRPに移ったあたりからちゃんとフォローしていないのだけど,1980年くらいまでのアルバム(RTF,ARC,Friends,Spanish Heart くらいかなあ)の印象を凌駕できない感じがある.このトリオもECMでの復活作や最近のDVDでもあるが,感動がとても薄いのは何故だろうか? 相変わらず,とても上手なんなんだけど(ここは賛否両論だろうが).まあ,初期作が「強烈に刷り込まれた」故であると理解.