金沢・久安 Campagne(カンパーニュ)
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少し時期が戻るが,4月に入って櫻花が開く頃から冷え込みが厳しい日々が続いた.この時期の寒さは,気持ちのなかの外套を脱いでいるので一際厳しく感じる.「金沢は暖かい(事実)」と思っている僕も閉口の日々だった.4月の最終週でも,八重桜と競演する枝垂れ桜があるような日々だったから.それでも僕は真っ青な空よりも,翳りのある空をじっと眺めながら歩いているのが好きだから,それはそれで嫌いな日々ではなかった.
伏見川のあたり.雲のトーンが好きだ.
そんな感じで過ごす日々だが,8月末に引越してから随分美味しいものを頂いたり呑んだりする機会が多く,ほんとうに楽しい.毎日通勤のために金沢郊外で片道4km弱の道のりを行き来すると,和食だけでなくフレンチやイタリアンが少なからずあることに気がついた.美味しそうなモノには興味はあるのだけど気弱な(というか人見知りが強い)僕はなかなか独りでは入るのは気分的に難しい.だから探索は全く進んでいなかった.なんて思っていたら食事会に誘って頂くありがたい機会があり,肌寒い4月最終週のはじめに通勤路間近の久安 Campagne(カンパーニュ)にでかけた.
料理をひとつひとつ丁寧に説明頂いたけど,最近の記憶力の低下はとても哀しく,何だったか思い出せないのだけど,どれも美味しく頂いた.地場の野菜や海産物を使った料理だそうで,十分,金沢という地の食事であることを意識させるものだった.今まで,県外からの来客は和食に案内していたけど,こんな手もあるなあ,と真っ先に思った次第.
最近は醸造酒には弱くて,ワインでも日本酒でも出来上がりが早い.ここではキールロワイヤル(2001年頃にブルターニュでの仕事からTGVでモンパルナスに出て,お上りさんよろしく高層ビルの展望台レストランで呑んだのが最後,というのを想い出した)ではじめて,美味しいワインを沢山頂戴してとても気持ち良くできあがった.気がついたら23時頃,驚いた.つぎの店に行く頃にはトロトロで,こういうパターンは後悔するんだよなあ.でも和食ばかりじゃなくて,この手の店にまた来たい,と思ったのでありました.
地場の野菜や魚の前菜
気泡が底から沸き続ける
白海老のパスタ
シシリアのワイン.ラベルが眼を引く.かつてイスラム教徒の支配下にあった時代もあるから,回教風文様(イスタンブールのトプカプのタイルの意匠みたい)なのかな
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