K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Jaco Pastorious: Live in Italy (Bireli Lagreneのこと2)

Jaco Pastorious: Live in Italy (1986, Jimco)
  1. Improvisation, No. 1/Teen Town
  2. I Shot the Sheriff
  3. Continuum
  4. Fannie Mae
  5. Black Market
  6. Satin Doll
Jaco Pastorius(b), Bireli Lagrene(g), Thomas Borbicz(ds)
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Bireli Lagreneを知ったのはJaco Pastoriusの没後リリースのなかの,"Live in Italy".酔っぱらってベトナム人の警備員に撲殺されるちょっと前の欧州ツアーでの演奏.

期待していなかったが,案外いい.Jacoはこんな感じで復活して 欲しかった.このなかのBireli Lagreneは切れのいいプレイで,Jacoより巧くのせている.

ボクはJacoのBoot紛いの音源についてはあえて買う必要はなくて,正式リリースされたものだけで十分だと思う.この録音もギタートリオという点で面白いが,Jacoが本領を発揮,という訳にはなっていない.

話が全く飛んでしまうが,ボクの頭のなかでこのあたりの音楽と小川国夫の”アポロンの島”の場面が不可分に結びついている.先般読んだ福田和也の通知表のなかで小川国夫の点は辛いが,アポロンの島のなかの,乾いた,少し埃っぽい欧州の光景は忘れがたい.そのなかで,酒場でのアルコール中毒のボクサーの場面がある.子供をなくし,妻を安南人(ベトナム人)に寝取られた男.舞台回しのパーツが,ベトナム,ボクシング(撲殺),家庭喪失,酒など.ミルコウスキーの”ジャコ・パストリアスの肖像”に書かれたジャコの最期と共通なのだ. だから脳内連鎖でラグレーンから小川国夫までつながってしまうのだ.

そんなことをつらつら考えながら,一日の終わりを過ごしている.