K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

京都・室町を丸太町通りから上がる:こんな感じだったか30年振りのこの辺り


ボクは京都のコトを知らない,と思ったのはタイトルを打ちながら地名表記の知識がいい加減だと感じたから.室町丸太町と書いていいのかな,と思ったりしたから.父親東本願寺の裏の出で,ボクも京都のD大に4年 通っていたが,何を見聞きしたのだろうか.嫌になってしまう.ほんの4年間通っただけだったのだけど,通っていたときは長く,出てしまえば短く感じる4年間だった.

大学に入ったときは地下鉄が工事中で,バスで烏丸通りを四条から今出川まで行くのも鬱陶しいので,もっぱら歩いていた.それも,案外退屈なので,日によっては,室町通りを通ったり,新町通りを通ったり,十字屋で新譜を求めるときには寺町通りを通ったり.昨日のことのようで,だけど本当に遠い昔のような30年近く前.もうすっかり記憶の中には何も残っていないのだけど,不思議と思い出されるのは夏の頃,祇園祭のあたりの室町通り.なんにもない通りで,薄暗くなった通りに下駄が鳴り,楽しそうな会話が低く響く.家の門灯が小さく灯り,京都の夏の暑気がまとわりつく.

ちょっと前のことだけど,4月の頃に室町通りで丸太町通りから少し上がったところにある龍谷大学の施設へ仕事で出かけた.まだまだ金沢は肌寒い日々がつづいていて,震えながら夜櫻をやった時候.春遠き感覚にあった.寒さを抱きながら地下鉄の丸太町駅から外に出ると,ふわっと春の空気になっていて,とても嬉しい気持ちになった.光は明るいし,眩しい.ほんとうに金沢で冷たい気持ちになっていて,楽しんではいたが,冷たかったのだな,と思った.出張先までのわずか1ブロックを歩いただけなのだが,本当に楽しい気持ちになった.驚いたことは,とても華やかな通りになっていたこと.それも気持ちの良い華やかさ.大津絵がかかっている店頭,ちょっとした料理屋さん,遅咲きの櫻,勿論,昔と変わらぬ街並み....少し溜息が出るような時間だった.帰りの夕暮れも,まっすぐ前に見える北山を楽しみながら,なんだかんだと今出川まで歩いたのでした.ほんとうに30年ぶりの場所だから.なんでもない4月の午後,1時間にも足りぬ僅かな時間だったけど,印象に残る再訪だった.つぎは,美味しいモノを食べたいなあ,と思った.