Charlie Haden and Hampton Haws: As Long as There's music (1977, Artist House)
Charlie Haden(b), Hampton Haws(p)
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Artist Houseの初期の圭作.とは云っても,Hawsの軽快なSwingは聴こえず,Hadenの独走ソロが気になる一枚.Hawsのいつもと異なる一面,Hadenの相変わらずの一面,っていう感じ.でも聴いていると案外良くて,へえ,Hawsってこんなピアノが引けるんだ,と思った.
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ジャズを聴き始めた頃(1979年),急激な円高局面(といっても200円/$を切った時期)でもあり,割安な輸入レコードという商売が急速に広がった.当時の新譜が2500円~2700円,米盤が1800円くらいだった記憶がある.だから,京都三条や四条烏丸の十字屋とか,四条河原町のリバーサイドには良く出かけた.アルバイトの稼ぎは殆どジャズのLPレコードになっていたのである.
当時の米盤の大半は粗悪で,ペラペラのボール紙ジャケットに,紙の内袋,レコード盤の反りや傷は常態で,米企業の品質保証水準の悪さを肌で感じたものだ.後に,60年代のImpulse!やBlue Noteの盤を若干枚入手したが,その質の高さに驚いた.如何にヴェトナム戦争終了後の米国が坂道を転げ落ちていたか,そんなトコロからも分かる.余裕がすっかり無くなっていたのだ.
そんな当時にあって,例外的に質の高い(音楽的にも,物理的なレコード盤としても)レコードを出していたのが,John SnyderのArtist Houseである.日本からはキングレコードが販売していたが,米盤の麗しさには歯が立たなかった,と思う.当時から高品質であった独ECM盤にも負けていなかった.John SnyderというproducerはA&MでHorizonシリーズという70年代ジャズそのもの,といっていい良質のジャズを世に出しており,独立して設立したのがArtist House.A&M Horizonシリーズの延長線のミュージシャン,Chatlie Haden, Ornette Coleman, Dave Liebmanなどなどのアルバムをリリースしていた:
・見開きの厚手のジャケット,
・静電気が立ちにくい良質のポリのレコード袋,
・ディスコグラフィーを収録した8ページのブックレット,
・何にもまして厚手で表面が綺麗なLPレコード
そんなに長く続かなかったレーベルだけど,なかなか聴かせるものもあって,未だに愛着があるLPレコードが多いのである.
そんなArtist Houseを設立して,数年後には閉じたJohn Snyderなのだが,今でも健在なことがわかった.インターネット時代は偉大なのだ:
http://www.artistshousemusic.org/john+snyder
現在62才で,2004年に再びArtist House Musicを設立して,細々(のように見える)とCDやDVDをリリースしているようだ.あまり最近の活動に興味はないのだけどね.