K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Jazz会#8:秋の気分でDuologue


ジャズの世界の語らい”Duologue”をテーマに選盤した。
主要メンバーであるJ君のリクエストはDuo。
実はボクも大好きなジャンルで数えると150アルバムくらい持っている。
明るいSwingあり、陰翳の強いものあり、ただの殴り合いあり、
勝手に音を出し合いするものもあり、実にテキトーな”語らい”。
秋の気分でDuologueを聴いてみたい。秋の気分には、何だか遠い日々だから。

それにしても出したい音源があまりに多いので困った。だから今回はCD主体でちょっとづつ。

0.プロローグ
Joyce: Sem Voce (1995)

Joyce(g,vo),Toninho Horta(g, vo)
今回もプロローグはブラジルから。前回も紹介したMPBのJoyce(g,vo)とToninho Horta(g, vo)のデュオ。ボクはブラジル音楽が夏向きとは思っていない。

1.弦のDuologue
集めてみると白人演奏者が多い。何故かなあ。音の密度が薄い弦の絡みは、間合いの妙が面白いのだなあ、と改めて感じる。
(1)Jim Hall: Jim Hall and Basses
(2001)

   Jim Hall(g),
Dave Holland(g)
   Jim Hall(g), Christian McBride(g)
   Jim Hall(g), Charlie Haden(b)
   Jim Hall(g), George Mraz(b)

(2)Jim Hall and Pat Metheny (1999)

Jim Hall(g), Pat Metheny (g)
親子ほど年齢が違う彼らが同じ音世界のうえで生きていることは皆うすうす感じていただろうが、聴くと矢張り感が一杯.

(3)
Pat Metheny: Beyond The Missouri Sky (1997)

Pat Metheny(g), Charlie Haden(b)
白人の魂のふるさとが荒涼とした草原にあって、そのなかで生きていく心地が伝わるような一枚。

(4)Jonas Hellborg: Zenhouse

Jonas Hellborg(b),Shawn Lane(g)
ちょっとジャズから遠いかも。John McLaughlinのMahavishnu Orchestraで活躍。ロックに近い人らしいのだけど、Zenhouse(サイケ世代の場所かなあ,何となく)でのライヴは思索的。ボクの友達、San DiegoのBaby Boomer"Norm Birdman Swanberg"から貰った一枚。

(5)Biréli Lagrène: Duets (1999)

Biréli Lagrène(g), Sylvain Luc (g)
二回目の登板だけど。案外この演奏が好きなことが分かった!

2.アコーディオンやオルガンもDuologue
(1) Richard Galliano: Face to face (2001)

Richard Galliano(acord), Eddy Louiss (org)
欧州の香たっぷりなのだけど、何だか少し暑苦しいのは何故だ!秋というより、冬向きなのはゴメン。

(2)Michel Petrucciani: Conférence De Presse (1994)

Michel Petrucciani(p), Eddy Louiss (org)
名手 Petruccianiを呑み込むオルガンの力。ド迫力のDuologue。昔の同僚Dominiqueから勧められた一枚。そういえばDominiqueと金沢に来たとき、片町の女性のいる店で呑んで、彼はミッシェルを唄ってもてていたなあ。フランス語のトコで。

3.ゲストOさんの歌謡曲
今回の特別ゲストOさん(昭和歌謡研究家で、金沢ローカルのコマーシャルソングの作詞・作曲・歌で著名*)持参のジャズ歌謡。
http://www.ustream.tv/recorded/6245777

ボクから返礼:澄淳子:ジャズ色・歌謡浪漫(1997)



4.ピアノ、サックスを中心に
(1)Andre Previn: Live at the Jazz Standard (1997)

André Previn(p), David Finck(b)
クラシックの指揮者であり、マイ フェア レディの映画音楽のつくり,ミア・ファローの旦那であったこともある多才というか華麗な亡命ユダヤ人。ジャズピアニストとしても一流。ふう。

(2)Kenny Barron:Swamp Sally (1997)

Kenny Barron(p), Mino Cinelu (perc)
打楽器って色彩が豊かだなあと思える瞬間がある。Kenny BarronはDuoアルバムが案外多く、ボクは2000年頃にViolinとのDuoライヴを米CambridgeのRegatta Barで聴いたけど、なかなか良かった。

(3)Art Pepper: Goin' Home (1982) [LP]

Art Pepper (as), George Cables (p)
麻薬禍で演奏家人生のかなりを棒に振ったPepperの遺作。彼のHomeとはHeavenか?
CablesはBostonのクラブで聴いたことがあるが、弱々しい後ろ姿に驚いた。

(4)David Liebman/Richard Beirach: Forgotten Fantasies (1975) [LP]

David Liebman(ts,ss), Richard Beirach(p)
最近,Richard Beirachのピアノタッチが気になりだした。案外,いいぞ。

(5)鈴木勲,菅野邦彦: Sincerly yours(1980) [LP]

鈴木勲(b),菅野邦彦(p)
菅野邦彦のピアノもタッチが好きな感じ。鈴木勲は文句なくGroovyだし。ジャケットが70年代衣装なので、ちょっと暑苦しいが。

(6)The Tony Bennett Bill Evans Album (1975) [LP]

Tony Bennett (vo),  Bill Evans (p)
これも二回目の登板だけどいいよね。B面をかけます。

5.エピローグ
Herbie Hancock and Fody Musa Suso: Village life (1984)

Herbie Hancock(p, key), Fody Musa Suso(kora)
西アフリカのコラとのデュオ。音楽のカタチが堅くなり、やわらかさが足りなくなったとき、民族音楽という周縁を引っ張り出す動きがあるのは、どのジャンルでも変わらない。無限に続きそうな音の循環に心地良さを感じる。

6.番外プログラム
Q君の要請ありで、最近購入したクラシックのピアノLPを一枚
Vladimir Horowitz: Horowitz on television (1968) [LP]

長い隠遁から復活(1965)後のアルバム。カーネギーホールでの収録。
Horowitzがボクのオーディオセットとの相性が良いように思う。
B面
   Scarlatti (D): Sonata In E, K 380, "Cortège"
   Scarlatti (D): Sonata In G, K 55
   Schumann: Arabeske In C, Op. 18
   Scriabin: Etude In D Sharp Minor, Op. 8/12
   Schumann: Kinderszenen, Op. 15 - Träumerei
   Horowitz: Variations On A Theme From Bizet's Carmen