K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

山口真文:Mabumi (1981) 「ありえた」かもしれないWeather reportの音

山口真文:Mabumi (1981, Trio) 
1. THALIA (Mabumi Yamaguchi)
2. MERRY-GO-ROUND (Mabumi Yamaguchi)
3. ILLUSION (Mabumi Yamaguchi)
4. CLEARWAYS (Tony Williams)
5. VOICES OF THE NIGHT (Mabumi Yamaguchi)
6. WIZARD (Mabumi Yamaguchi)
山口真文(ts,ss) Kenny Kirkland(p,el-p), Miroslav Vitous(b, el-b) Tony Williams(ds)  
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 ボクが密か(でもないのだけど)愛聴しているLPレコードに山口真文のMabumiがある。なぜなのか考えてみた。要は、「ありえた」かもしれないWeather reportの音だから、だと思う。

最初のWeather Reportのコアメンバー(Wayne Shorter, Joe Zawinul, Miloslav Vitous)から,Vitousが抜けてややFunkyな路線へと変わっていく。そしてJaco Pastourous在籍時の最盛期へ推移していく。そのような流れに対して、Vitousの代わりにZawinulが抜けて欲しかった、という人は多いような気がする。Vitousのベースが奏でる天に昇るような音がボクも好きなのだ。だからWeather report退団後のVitousのアルバムは気になって仕方がない。

だから今でも、中古棚で見つけると70年代のVitousを買うのだ。といっても、70年代のLPレコードは1976年のMAJESTY MUSICしか持っていないけど。最近、VitousがECMからだしたRemembering Weather Report(1999)も、そのような期待で買った人は多いんじゃないかな。なんとなく騙しのタイトルなので、腹が少したったけどね。

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前置きが長くなった。山口真文はその昔、SJ誌で日本のWayne Shorterと呼ばれていた(大時代的表現だなあ,恥ずかしい)記憶がある。そんな模倣的な意味でなく、Shorterのサックスの音色の美徳を譲ってもらったようなイイ音がなっている。そこにVitousだから、「ありえた」かもしれないWeather reportの音になっている。

1曲目のリスムセクションのたおやかな疾走感が気持ち良い。その上で熱くならず、さりとて冷たくもなく飄と吹くサックスがなかなか格好がいい。バランスがとてもいい。当時のFusionという程は作っていなくて、ジャズ中のジャズ。
2曲めはVitousのel-bがリードしてはじまる。そんなことを考えなら聴く一枚なのだ。

そうなると二匹目のドジョウとばかり,日本製作のMiroslav Vitous: Guadian Angels を買ってみたのだけど、これは何か違う。残念。やっぱり未入手のVitousのARISTAのLPを入手しようと、まだまだ懲りずに考えているのだ。

マブミ(日本独自企画盤、限定生産紙ジャケット仕様、解説付)

マブミ(日本独自企画盤、限定生産紙ジャケット仕様、解説付)

  • アーティスト:山口真文,Mabumi Yamaguchi
  • 出版社/メーカー: DEEP JAZZ REALITY/OCTAVE-LAB
  • 発売日: 2018/12/05
  • メディア: CD