Bill Frisell: Songs We Know (1998, Nonesuch)
1. It Might As Well Be Spring (Richard Rodgers / Oscar Hammerstein II)
2. There Is No Greater Love (Marty Symes / Isham Jones)
3. Someday My Prince Will Come (Frank Churchill / Larry Morey)
4. Softly As in a Morning Sunrise (Sigmund Romberg / Oscar Hammerstein II)
5. Blue Monk (Thelonious Monk)
6. My One and Only Love (Guy B. Wood / Robert Mellin)
7. My Little Suede Shoes (Charlie Parker Jr.)
8. Yesterdays (Jerome Kern / Otto Harbach)
9. I Got Rhythm (George and Ira Gershwin)
10.Wave (Antonio Carlos Jobim)
11. What Is This Thing Called Love? (Cole Porter)
Bill Frisell(g), Fred Hersch(p)
1998年録音
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Bill Frisellはクセのある(というか変な)過激さが好きで、数えると20枚近くリーダ作を持っている。ディストーションがしっかりかかった演奏が好き。リーダ作ではないけど(実質リーダーに聴こえる)Wayne HorowitzのFascinationなんかは何回聴いたかなあ。だから、このSongs We Know を聴いた10年前、驚いて棚にしまってしまった。所謂オクラ入り。Bill EvansとJim HallのUnder currentのような音だったから。ボクはそれをBill Frisellには求めていなかったから。その後のFrisellはどんどん角が落ちていった。丁度オバマ大統領就任式の一月の晩、凍えるCambridgeに聴きに行ったら、緩い音でヴァイオリンと絡んで浮遊しまくり状態。悪くはないけど、とても寂しく感じてしまった。
最近の集中クラシック聴き込みのなかで困ったことは、ジャズピアノの聴こえ方が変わったこと。鳴らし方が気になって仕方がない。そんな訳で、クラシック聴き込みと並行して、ジャズピアニスト再点検的な聴き方をしていたのだ。Stefano Bollani、Marc CopelandとかRichie Beirachは株上昇組。そんななかで気になっていたのが、Fred Hersch。ご高名の噂はアチコチのブログから聴こえるのだけど、さあどれを聴こうか。実は殆ど持っていない。そこで思い出したのが、このCDだった。10年ぶりに聴いてみた。
今にして思うと90年代後半からBill Frisellはキツいディストーションがかかった音から、浮遊への路を歩んでいたのだな。当時は異色の作品と思ったのだけど。このSongs We Knowでは、ジャズの名曲、すなわちSongs We Knowを、 Fred Herschとまったり弾いている。だから10年前は即刻お蔵入り。つまらないから。いい盤とか、悪い盤じゃなくて、期待値と違うと中々聴く気がおこらないのだ。
さて、Fred Herschなのだけど、期待通り。彼のピアノをもっともっと聴きたくなった。3曲目のSomeday My Prince Will Comeで曲の良さをじわっと聴かせてくれたり、4曲目のSoftly As in a Morning SunriseのFrisellとのインタープレイが軽く弾ける感じが気持ち良い。ピアノも良く鳴っているし。このアルバム, Frisellがもっとアコースティックな音を出していたら大名盤になっていたように思う。残念なのだけど、何故かどの曲でもFrisellが同じに聴こえる。だからアルバムとしては、相変わらず?感が残っているのである。
Bollaniと同じく,ボクの山勘とネットのジャズ世界の大先輩に教えて頂いてクリックした幾つかの盤を待つ休日を過ごしているのである。