その昔、京都・今出川にある学校に通っていた頃、百万遍の西部講堂でのコンサートのチラシが良く張ってあった。過激派といわれた左翼党派と同じような粗末な印刷のチラシが電信柱でヒラヒラ舞っていた。頃は1980年前後。未だ某政党系の団体・生協とヘルメット兄さん達が今出川通りで散発的に市街戦をやっていた。中立売署警官が傍観するなか。何も知らない学生のボクは、熱くないのに熱い季節の残り火を装った雰囲気が嫌いで、あのチラシもそんな中の点描となっていた。ボクたちは丁度「しらけ世代」とか「新人類」とか云われた世代の走りじゃないかなあ。
そのなかの一つが浅川マキ。このDVDは1984年でボクが京都を去った後の収録だけど、まあ同時代感覚がたっぷり詰まっている。今にして思うと行けば良かったのだけど、当時のチラシをみても怖いオバサン(ごめんなさい)にしか見えなかったから、行かなかったのだけど。子供っぽい頃の話。惜しいことをした。浅川マキの「幻の男たち」を聴いてみると、歌がいいし、後藤次利のベースも格好いい。当時も行けば良かったな、と思った。覆水盆ニ返ラズ、光陰矢ノ如シ。
当時、今出川にも百万遍にも演奏に来ていたのがイカレタ近藤等則で、地べたでひっくり返ってトランペットを吹いていた(今出川:トリスタンホイデンガーと のデュオ,百万遍:ミシャメンゲルベルクのICPオーケストラ)。コノ方は普通のライヴハウスとか、普通に手に入るレコードでは聴けない、ちょっとした有名人(アル方面)だったので聴きに行った。とってもヘンなのだけど、案外メタリックでヒステリックな音が好きで(レック・フリクションとのIMAは良かった)、今に至るまで聞いている。80年代中盤の近藤IMAはライヴで聴いたけどカッコよかったなあ。
http://www.youtube.com/watch?v=avhlPQVZM2o&feature=related
浅川マキのDVDにも近藤等則が入っている。これがなんとも・なんともの共演で、ボク的には好きなのだけどね。
http://www.youtube.com/watch?v=Ct7N1m3iWGM
ネ、やっぱりヘンでしょ。