Erroll Garner: Concert by the sea (1955, Columbia)
A1. I'll Remember April ( D.Raye/De Paul/P.Johnson )
A2. Teach Me Tonight ( Cahn/De Paul )
A3. Mambo Carmel ( Garner )
A4. Autumn Leaves ( Mercer/Kosma )
A5. It's All Right With Me ( C.Porter )
B1. Red Top ( Hampton/Kynard )
B2. April in Paris ( Harburg/V.Duke )
B3. They Can't Take That Away From Me ( I.Gershwin/G.Gershwin )
B4. How Could You Do A Thing Like That To Me ( T.Glenn )
B5. Where or When ( Hart/Rodgers )
B6. Errol's Theme ( Garner )
Erroll Garner (p), Eddie Calhoun (b), Denzil Best (ds)
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いつの頃か、本盤の昔のプレスを入手した。レーベルは6eye。二束三文なので盤面も荒っぽい。米国のレコード屋でも結構見かけるが、10ドルはしない。よく売れた盤なのだ。
少し時間をかけて、レコード盤を磨く。クロスが薄茶色になる。次第にクロスが溝に沿って滑るようになる。
モノラル・カートリッジを用意。イコライザの設定をRIAAからCOLに変える。そして音を聴きながら針圧をさわる。少し重め、2.5gを越えたあたりから、音圧が高まり、音が立つ。
少しだけ手間がかかったが、大好きなガーナーのピアノが響く。殴るような強いタッチ。音が跳ねる。
久しぶりに、そんな時間を愉しんでいる。
[2010-12-15] 近所の酒場への進物2
カルフォルニアが日本より広い、と豆知識があっても、そんなことの実感はとても難しい。日本の大きさだって、大きいとも、小さいとも実感できないのだから。カルフォルニアにも随分な回数行っているのだけど、確かに州都のサクラメントから北に向かうと確かに寒々しい感じがある。そこで会った(今でもたまに会う)Jackにはタホにスキーにおいでよ、と云われて、からからに乾いて暖かい南の果て・サンディエゴを思いながら、確かに広いなあと思ったりした。
大半の所用がサン・フランシスコ周辺(所謂ベイエリア,サンノゼ辺りまで)、ロス・アンジェルス周辺(オレンジ郡あたりまで)、サン・ディエゴ。本業のElectrical industoryがあるから。例外的なのが、前述の北カルフォルニアでPCに入っているチップの本社があった。あとは、夢のように素敵だった場所、サンノゼの更に南に位置するモントレーの辺り。55年前にErroll Garner:がプレイした場所Carmelもこのあたり。Concert by the seaのジャケットの海をみると、一回だけ訪れた彼の地を想い出す。
いつだったか景山民夫のエッセイのようなものを読んでいたら、ラッコと一緒に海に漂った話が書いてあった。モントレーあたりの話。この辺りは半島で、北からきた海流に交わるような土地。だからラッコやアザラシが海岸に漂っていたり、寝そべっていたりした。そんなのを眺めながら緩い数日を過ごした。食事はお決まりのフィッシャーマンズワーフ。あと夜の水族館に行って、ライトアップされた大海亀をみたのは楽しかったなあ。そんなふわっとしたリゾート地。
そんなことを意識すると、リゾート地の夜に求められるジャズが娯楽的でない訳がない。エロール・ガーナーのこの一枚は強くスウィングするジャズで、何より理屈っぽくなくて、ヘンに感情的でもなくて、とにかく楽しい。ジャズ評論の先生方は、この類のジャズを「ジャズ史観」に入れ込めなくて困っていたんじゃないかなあ。エロール・ガーナーって、時流と関係なく良質のエンターテイメントを提供していたヒト,だと思う。
ぜんぜん音の説明をしていないのだけど、良質のエンターテイメントを解説するのは野暮のような気がしてきたので。気になる金澤のヒトは泉野出町のバーでリクエストして聴いてください。楽しい場所で、なんとなく聴くのがいいから。