K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Joni Mitchell: Court and Spark

Joni Mitchell: Court and Spark (1974,Asylum)
   A1. Court And Spark
   A2. Help Me
   A3. Free Man In Paris
   A4. People's Parties
   A5. The Same Situation
   B1. Car On A Hill
   B2. Down To You
   B3. Just Like This Train  
   B4. Raised On Robbery
   B5. Trouble Child
   B6. Twisted
Joni Mitchell (vo,g,etc.),  John Guerin (ds), Wilton Felder(b), Tom Scott (sax), Larry Carlton(g)
In addition to above
on  "Free Man in Paris": Jim Hughart(b), José Feliciano(g), David Crosby(vo), Graham Nash(vo)
on  "People's Parties": Jim Hughart(b)
on  "Car on a Hill": Wayne Perkins(g)
on  "Down to You": David Crosby(vo), Susan Webb(vo)
on  "Raised on Robbery": Joe Sample (p), Robbie Robertson(g)
on "Trouble Child": Max Bennett (b), Dennis Budimir (g), Chuck Findley(tp)
on  "Twisted": Chuck Findley(tp), Cheech Marin(vo), Tommy Chong(vo)
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[2019-7-23追記]

今となっては、下記光景は思い出せない。むしろ、トム・スコットが入ったこのアルバムがジャス・ファンにもいいよ、って教えてくれた二木さんと、バーのカウンターで聴いていた光景が濃厚に思い出される。確かに、そんな感じで聴く音楽の幅が広がっていった時期だった。その幅、というものが、自分を覆う殻のようなもの。それがゆっくり溶けていくような日々だった。懐かしいし、愛おしい日々だ。その後、レコードも入手し、あの時代の音を楽しんでいる。

Shadow and Lightsが頂点を捉えたアルバムならば、その土台はCourt and Sparkからの一連のアルバム群。ジャズ奏者達をまとめて自分の音を創るジョニ・ミッチェルの凄さ、を知ることになった。

[2010-12-31記]

この数日降り積もった雪は不思議なほど素早く消えてしまって、ボクの住む集合住宅裏の竹薮も黒い地肌のうえで風に吹かれていた。随分、たくさんの雨が降ったものだ。

今年は随分多くのCDやLPレコードを手にした。殆どがクラシック、それもピアノ曲が多い。30年前の学生の頃にジャズが好きになって、知りたくて知りたくて買い続けたときと同じ心象。新しいオトの知りたがり、になったのだ、30年振りに。

その日,暮れも押し迫った頃に今年最後のCDが届こうとしていた。不在がちだったので、なかなか手元に届かない。ジョニ・ミッチェルのコート・アンド・ス パーク。近所のバーで店主が手空きの時には、よくLPレコードでかけてくれて,すっかり気に入った一枚。自室で聴きたかったのだ。クラシックに耽溺したと も云える半年あまりだったのだけど、だから装飾がなく、そのまま気持ちに入ってくるジョニの声に惹かれたのだと思う。ボクはMingusやShadows & Lightから入った典型的ジャズマニア系ジョニ好きなのだけど。

それにしても、なかなか届かなかい。その日は午前中の配達を頼み、刻々と晴れ模様と雨模様が入り乱れる景色にときたま目を奪われながら、待ち続けた。待つ ことが目的の時間って不思議な時間のはやさがあって、コマ落としのようにゆっくりと、雨が落ちたり・上がったり、竹藪がひかったり・翳ったり、していた。 そんな時間がぽっかり開いた、年の瀬もわるくない。大好きな映画、鈴木清順のツゴイネルワイゼンをヴィデオクリップのようにツマミ食いしながら時間を過ご した。窓の外の変化自在な様子とあいまって、流れが不思議な刻を過ごした。畢竟、時間の流れのはやさはヒトがつくるものだから...結局、CDは届かな かったのだけど、そんな時間が愛おしい。

そんな訳で待ちに待ったコート・アンド・スパークなのだけど、その夜遅くに届いた。それから何回も何回も繰り返した僅か37分足らず。とても短く感じた。 中身は素晴らしいに決まっているから語らない。ジョニの若い声、とても完成度の高いバックバンド。とても聴かせる。その後のShadows & Lightのジャズ演奏者(Pat Metheny (g), Jaco Pastorius (b), Lyle Mays (p,key) ,Michael Brecker (ts)ら )に惹かれてジョニのアルバムに手を出したボクなのだけど、ジョニが彼らの上に立つ、普遍的な音楽性をまとめたのがコート・アンド・スパークなんだなあ, と感じた。

音に惹かれる日々は楽しく、そんな日々がいつまでも・いつまでも時間が止まったように続いたらいいなあ、そして僅かでも友・酒・肴があれば、と雪が降る大晦日に思うのであります。どんな来年になるのだろうか、彷徨はおさまらないだろうな。