K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

João Gilberto: Live In Montreux

João Gilberto: Live In Montreux (1985, Nonesuch)
1. Sem Compromisso
2. Meni Do Rio
3. Retrato Em Branco E Preto
4. Pra Que Discutir Com Madame
5. Garota De Ipanema
6. Adeus America
7. Estate
8. Morena Boca De Ouro
9. A Felicidade
10. Preconceito
11. Sandalia De Prata
12. Rosa Morena
13. Aquarela Do Brasil

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ジルベルトはStan GetzとのGetz/Gilbert(1963,Verve)で聴いてから、すっかり取り込まれていて、レコード屋で見かけたら手にしている。ガツガツとコレクター的な蒐集すること自体、ジルベルトの音楽と合わないような気がして、出会った持って帰る。そんな感じで、ここ20年ほど付き合っている。

ボクは初期のアルバムJoao Gilberto(1961)が好きで、繰り返し・繰り返し聴いている。なんだか無限連鎖のような音のなかに浸っているときもある。ギターと唄、そして本当にささやかなパーカッションが添えられている。もう50年も前の録音なのだけど、近年の東京でのライヴと何も変わっていない。ある種の普遍性に満ち溢れた音楽、ジャンルを問わず、に共通な味を持っている。ご時勢とあまり関係がないのだ。素晴らしい。

これは1975年のモントルーでのライヴ。マイルスはハービーのファンクが過激化していた時代なのだけど、このライヴ録音からは時間や時代と関係なく、ジルベルトの極めて個人的な、私的な音楽が紡がれている。観客もそれを望んでいることが、音の隙間から伝わってくる。

仕事場の窓から見える真っ白な山があかね色に染まるこの時間、独り部屋で聴いていると、とても気持ちに合う一枚。ボクはあの時のモントルーの観客と一緒にいるのだ。

Live in Montreux

Live in Montreux