K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

志賀高原で春スキー:春の風に30年近い月日を感じて


近所のNさんに誘って頂いて、日帰りの春スキーに行った。行き先は志賀高原。金澤からは3時間強。高速が延伸し、随分と便利になっている。

今年の黄金週は絶好のスキー日和となった。日差しは強いが気温は低く、時々、雪が舞う。流れる雲に日が翳る。風は冷たいが、仄かな春の匂いを纏っている。積雪は十分で、良質のざらめ。気持よく滑ることができる。現地で合流したK夫妻も含め足が揃っている(ボクが一番ヘタなのだけど)から、スキーも快適。冬の頃より薄着で、厳しい照り返しのなかで風を切る快感。とても気持ちがよかった。今年は随分とスキーに出かけた。これでお仕舞いなのだけど、いつも思う。あと何回の冬を迎えて、何回スキーができるのかと。答えのない問いが溢れるような気持ち。

 

志賀高原に向かう途中、朝の北陸道も快適だった。気持ちの良い晴れた天気。やはり流れる雲を眺めていた。吹く風にあたりながら、この空気は初めてではない、と強く感じた。30年近く前の黄金週のはじまり。やはりボクは高速道で走っていた。行き先を細かく決めないで、とにかく飛び出したかったので単車に乗って信州に向かったのだ。神奈川の東の隅っこから。仕事をはじめた頃だったのだけど、単車のうえで伸びやかな感覚になって、自分が行きたい方角、行きたいと感じる方角へ気儘に走っていったこと。八ヶ岳から小海線沿線をあがって上田から善光寺平。戸隠から鬼無里、そして白馬。安曇野を南に向かって白骨から乗鞍高原、そんな日々を何日だったか過ごした。戸隠に引かれるように導かれ、それから30年、何回行ったことだろうか。そんなとき、高速道でヘルメットを脱いで空をみていたことを想いだしたのだ。

 

なんだか30年経って振り出しに戻った感覚って不思議なのだけど、とても爽やかな一日を過ごすことができた。こんな既視感も悪くないなあと思った。