K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

John Hicks: Some of Other Time (1981): 気になっていたピアニストの満足できる1枚

John Hicks: Some of Other Time (1981, Theresa)
   A1. Naima's Love Song
   A2. Mind Wine
   A3. Peanut Butter In The Desert
   A4. Ghost Of Yesterday
   B1. Some Other Time
   B2. With Malice Towards None
   B3. Dark Side, Light Side

John Hicks(p), Walter Booker (b), Idris Muhammad(ds)


http://www.cduniverse.com/search/xx/music/pid/1043923/a/Some+Other+Time.htm で試聴できます.

  ジョン・ヒックスはそれなりに長いキャリアを持つピアニストだったのだけど、聴き手の意識に明確に足跡を残したのはいつ頃だろうか。ミニ・マッコイとの評を読んだことがあるが、なんとなくマッコイのようなゴリゴリのピアニストから、少し迫力を落としたヒトという印象なのだろう。

  ボクのなかで明確に存在感を、それもジョン・ヒックスという弾き手という認識は1980年頃のテレサ・レコード(本盤もそう)から出された一連のファラオ・サンダースの録音じゃなかろうか。ボクは今でも京都三条の十字屋の店頭に並んだファラオの新譜のことは鮮やかに記憶している。アグレッシブなブロウと、軽快なドライヴ感を実現していた。当時、フリー・ジャズという滑った前衛意識の束縛(フリーが自由でないという皮肉)から軽快に飛び出したファラオがとても新鮮な感じだった。

  とりわけ、サンフランシスコでのライヴを収録したものは良かったなあ。今でも愛聴盤。このファラオのバンドのリズム・セクションが本盤の3人。このときからヒックスがとても気になる存在。ボクのなかでは決してミニ・マッコイではなくて、適度にリリカルな音を出しながら強烈なドライヴ感を醸し出すパワーに圧倒されるのだ。それもピアノの一本調子ではなく、ベースやドラムとの協調・競合がとても気持ちよい。

  だけど残念だったのは、ボクにとってファラオとの共演が一番でリーダ作ではピンときていなかったこと。何枚か(6〜7枚)手に入れたのだけど、決定盤が見当たらない印象。そうこうしているうちに、世を去ってしまった。ふう。

  先日、ニューヨークでLPを漁っていたときに、これをみつけた。今度こそ、って気持ちがあったから。ヒックスの決定盤が聴きたいってね。それと、ヒックスのサイン付き、ってのもあったけど。

  米国から帰ってきてから毎日、買ってきたLPレコードをターン・テーブルにのせて聴いている。そのなかで一番聴いている一枚がこれ。遂に気になっていたピアニストの満足できる1枚が手に入った、ということ。とても嬉しい。考えてみると、ファラオと同じレーベルの一枚が良かったって、分かりやすい結論なのだけど。良くドライヴするジャズ・ピアノの楽しさを感じさせてくれた。嬉しいなあ。

wikiからの引用:
John Josephus Hicks, Jr. (December 21, 1941, Atlanta, Georgia – May 10, 2006[1]) was an American jazz pianist and composer, active in the New York and the international jazz scene from the mid-1960s.
Biography

Hicks studied music at Lincoln University in Missouri and Berklee School of Music in Boston before moving to New York in 1963.

He was a member of Art Blakey's Jazz Messengers (1964–1965) and occasionally in the 1970s, worked with Betty Carter (1966–1968, 1975–1980), and was in one of Woody Herman's groups (1968–1970). From the early 1980s until his death he performed solo and led his own groups including The Keystone Trio.

Hicks played and recorded with jazz artists such as Lee Morgan, David Murray, Joe Lovano, David "Fathead" Newman, George Mraz, Arthur Blythe, Kenny Barron, and Gary Bartz amaong others. The pianist recorded the seventh instalment of the "Live at Maybeck Recital Hall" series of solo concerts, which were recorded for Concord Records.

From 1983, the flautist Elise Wood was regularly a member of his groups. The couple married in 2001, Wood survives him, and has led a group dedicated to the performance of his music.