K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Joyce & Toninho Horta : Sem Voce (1995) こんな朝だから


Joyce & Toninho Horta : Sem Voce (1995)
   1. Ela e Carioca
   2. Correnteza
   3. Inutil Paisagem
   4. Frevo de Orfeu
   5. Ligia
   6. Vivo Sonhando
   7. Dindi
   8. So Danco Samba
   9. Outra Vez
  10. Sem Voce
  11. Este Seu Olhar / So em Teus Bracos
  12. Estrada do Sol
  13. Ela e Carioca - Take 2 -
Joyce(vo,g), Toninho Horta(g,vo)

 昨夜は思わず沢山吞んだ。弾みがつく呑み方,があるように思う。すっかり酔って早く寝床に入ったのだけど、目覚めると朝の7時。早く目覚めることがささやかな悩みの昨今、思わず嬉しくなってしまった。走り損なったことが残念なのだけど。気怠い気持ちを遠くまで飛ばして、所在のない感覚を誤魔化したいなあと思いながら音を探す夏の朝。

 少しはっきりしない頭で聴いているのは、Joyce と Toninho Hortaのデュオ。Joyceの唄とHortaのギター。このアルバムは1994年に亡くなったジョビンの曲をカヴァーしたもの。だけどボサ・ノヴァになっている訳じゃなくて、二人の音世界そのもの。

 ときどき、Joyceもギターを弾くし、Hortaも唄う。とてもシンプルな編成の音のアルバムだけど、シンプルには聴こえない不思議な奥行きがある。軽く流れてくようで、深く気持ちに入ってくる。ボクはデュオがとても好きなカタチなのだけど、このアルバムを聴くと不思議な感覚がある。天から落ちてきた一つの音が、二人の声やギターを通じて出てくるような感覚。あらかじめはめ込まれたような自然な音の連鎖。そこにいないJobimとJoyceとHortaの音楽が溶け込んだような...