Fred Hersch: Songs without Words(2001)
Disc 1: Fred's Songs)(3枚組の1枚だけ取り上げています)
1.Song without Words #1: Aria
2. Song without Words #2: Ballad
3. Song without Words #3: Tango
4. Song without Words #4: Duet
5. Song without Words #5: The Moon's Lullaby
6. Song without Words #6: Waltz 3:12 $0.99 Buy Track
7. Child's Song
8. Up in the Air
9. Heartsong
10. Sarabande
Fred Hersch(p), on 7: with drums, on 8: with trumpet
昨日から仕事で出かけていた。バスに乗って日本海沿いに走っていた。戻り梅雨ではっきりしない日が続いていたのだけど、再び淡い夏雲が沸く空のしたをバスは走った。なんだか夏は終わったような気分になっていたので、夏に戻ったのか何だか分からないような感覚。それでも遙かなる北アルプスが海に落ちる場所、親不知を抜けるあたりでは海のうえを走っているようで、少しだけ夏の気分になった。
そんな行き帰りで本を読んだり、音楽を聴いて、ついこの間までの忙しかった日々や、これからの慌ただしい日々のことを考えてぼんやりしていた。思いの外、読書が楽しかったことが儲けもの。もう少したくさんの本を読みたいと思った。
バスのなかで聴いていた音楽で一番惹きつけられたのは、フレッド・ハーシュのSongs without Words。無言歌、と云えばいいいのか。この1年、改めて知り直して(知っていたのだけど、気にもしていなかった)、随分とアルバムを手に入れた。そのなかでも、ピアノソロの素晴らしさは格別。このアルバムを紹介して頂いたブログもあり、早々に感想を書きたいと思っていたのだけど、曲の細かな部分で気分を持って行かれるので、アルバム全体のことが書けなかったのだ。このアルバムの1枚目はフレッドの自作自演集。2枚目はジャズの名曲集、3枚目はコール・ポーターの曲集。1枚目ではまっているので、実は2枚目、3枚目まで辿り着いていないのだ。
この1枚目、自作自演集は不思議なアルバム。遠い記憶をたどっていくような音、音に意識をあわせていくと焦点がぼやけ、逃げ水のように意識から逃げていく。なにか確かな音場を作っているのでなく、音の流れに仄かな気持ちをのせて、ゆるやかにボクの中に入っていくような音楽。実に淡々と弾いているようにきこえて、それでいて微毒をもつクスリのような作用をもたらす。
結局,夜半前になってまで5回目を聴いているのだけど、はぐらかされたような気持ち,といっても,少しだけ愉快な気持ちになって、投げやりに文章にしているのだ。