K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

(ECM1064/65) Keith Jarrett: The Koeln Concert (1975) 4つめの音源は高分解能(High Resolution)音源

Keith Jarrett: The Köln Concert (ECM)

Keith Jarrett(p) 1975年録音

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 キース・ジャレットのケルン・コンサートについては2回目の記事となる。一回目は昨年の9月4日。10代だったボクをはじめて押し倒したジャズのことについて。その内容について、30年の時間を経ても変わらず感銘を与える部分と、醒めて聴こえる部分があって、そのことについて書いてある。

 はじめて買ったケルン・コンサートは日本盤。30年前。トリオ・レコードが出していたものである。これがあまり満足できるものではなかった。ケルン・コンサートは比較的上質のジャケットであったが、そのほかは写真製版(のような)西独盤の色彩・触感を再現していなくて貧相だった。音質については、テープ・ヒスがとても気になった。マスターテープからのコピーが巧くいっていない感じ。常にサーという雑音が乗っている。当時も西独からの輸入盤、ECMのオリジナル盤の入手が可能であったのだけど、国内盤より高価で、学生には決心しないと手が出なかったのだ。

 だからCDでケルン・コンサートを入手したとき、2つめの音源になるのだけど、このテープ・ヒスが消えてそれなりに満足していた。それが20年位前のこと。ありふれたオーディオセット(ソニーのCDプレイヤ、山水のアンプ、ダイアトーンのスピーカー)で聴いていたのだけど。

 金澤に引っ越した後、昨年の6月にMcIntoshのアンプを入れてから、LPレコードで聴くピアノの美音に痺れた。ヒス・ノイズさえ我慢すると日本盤LPレコードのほうが深みのある素晴らしい音であることが分かった。それから気になったのが西独盤のケルン・コンサート。半年くらいディスク・ユニオンを覗いて、今年の3月に入手した。3つめの音源。勿論、期待通りの美音。なんか日本盤でのヘンな劣化がとれた、すっきりした音。とにかく美しい。何回も何回も聴いたことは、云うまでもない。

 話しにはまだ続きがある。オーディオ装置をPCオーディオ対応にしたのだ。きっかけはiPODをMcIntoshにつないだときの美音に驚いたこと。CD音源がLPレコードに肉薄している。なんか悔しくなって、DA変換器にラックスマンDA-200を入れて、更に再生SWとしてアマーラを入れたのだ。そして再生専用PC(Mac mini)も入れた。結果、CDとLPレコードがかなり拮抗するところまで改善されたのだ。とともすっきりとした音。だから、その後はLPレコード熱が冷めたことも事実。そんな音を巡る彷徨を続けていたのだ。

 とは云え、ボクはオーディオファンではなく、あくまで好きな音楽を満足して聴きたいだけなのだけど。だから話はここでお仕舞いの筈だった。

  今週初め(だったか)の日経新聞の文化欄にオーディオの話が出ていた。PCオーディオで高分解能音源の魅力を語ったもの。存在は知っていたが、国内のオンキョーのサイトはつまらないものが多く、気にもしていなかった。昔から高音質音源(ダイレクト・カッティングとか)専用の企画モノはつまらないものが多かったから。今のCDではサンプリング周波数44.1kHz、量子化16bitである。それが96kHz、24bitの音源。時間分解能が2倍。振幅分解能が256倍。理屈の上では、高音域の波形歪みがかなり抑えられる筈。魅力がない訳がない。

 ところが、その記事では過去の有名音源の話(ビル・エバンス、ビリー・ホリディとか)だったので、調べてみたら米国に魅力的な音源のサイトがあったのだ。

HDtracks:https://www.hdtracks.com/index.php

 なんとキースのケルンコンサートがあったので買ってしまった。たかだか$18(¥1400だから、最初の日本盤¥3600と比べると...)。これが4つめの音源。これが強烈なファイルサイズで2.33GB。CDの3倍強。分解能から理論通りにデータが増えている。

 さて聴いた結果なのだけど、音質そのものはとても良い、CDであったような音質そのものが与える違和感が全くなくなっていた。LPレコードと比較しても針と盤面が与えるスクラッチ・ノイズがないのでダイナミックレンジは良好。LPレコードが優位の高音域の質感も同等以上かな。とても高音が豊かになった感じ。要はとても良い音。歪みも少なく本当に綺麗な音だ。

 しかるに期待したほどの「何か」を得ることができなかった。多分、異次元の音空間に行く期待、があったのだと思う。未体験の音への憧れ。音として過剰な程の豊かさはあるのだけど、それ故の違和感もある。少し考えてみた。

(1)オーディオ装置の実力が追いつかない。だんだんとスピーカが気になってきた。(イケナイ傾向)

(2)ECMのディジタル音源についての疑惑。音源の話は規格面だけでは決まらない。決定的なのはマスタリング時のミキシングとイコライザ。ECMのCDは、かつてのLPレコードに追いついていないという声もある。つまりre-mixとか、マスタリングがしっくりこない、ということ。このあたりは気になるトコロではある。

 という訳で幾つかの音源も試してみることにした。装置を試してみる訳にはいかないからね。録音時期とかレーベルを変えてみて。その話はまた改めて。

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LPプレイヤー:Kenwood KP9010
DA変換器:ラックスマンDA-200(USBでは96kHz、同軸/光で192KHzまで)
再生SW:iTunes+Amarra
スピーカー:ダイアトーンDS-97C(フロアタイプスピーカ)
系統1のアンプ
   プリ・アンプ:McIntosh C22
   メイン・アンプ:McIntosh MC30
系統2のアンプ
        プリ・アンプ:DA-200を利用
        メイン・アンプ:Crown D-45