K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Dave Liebman: Drum Ode (1974) 70年代の熱気が伝わるECMって

Dave Liebman: Drum Ode (1974, ECM)
   1. Goli Dance
   2. Loft Dance
   3. Oasis
   4. The Call
   5. Your Lady
   6. The Iguana's Ritual
   7. Satya Dhwani (True Sound)
Dave Liebman(ss,ts,fl), Richard Beirach(el-p), Gene Perla(b), John Abercrombie(g), Jeff Williams(ds),Bob Moses(ds), Patato Valdez, Steven Satten, Ray Armando, Barry Altschul(perc), Badal Roy(tablas), Collin Walcott (tablas), Eleana Steinberg(vo)

 先般、ディスク・ユニオンに出かけたときに見つけて、小躍りして買ったアルバム。大編成なのだけど、あまりそんな感じはしない。裏RTFのようなサウンドで、マッチョなテナーがブロウ。それに彩りが綺麗な打楽器が沢山。しっかりと熱い演奏になっている。だけど70年代の熱気が伝わるECMって、なんだかとても変な感じ。ECMでの打楽器は音の抽象性を高める、空間の小道具であることが多い。最近の録音では、観念的な音空間の梁のような使われ方。

 このアルバムを聴いていると、確かにあの頃のECMの温度がもう少し高かったことを思い出させる。確かに、チック・コリアのReturn To Foreverにしたって、その後のポリドールでの吹き込みと比べて透明度は高いのだけど、そんなに温度が低い訳ではない。やや低め、の感じ。この10年で音の温度が随分下がったのではないだろうか。

 結論から云うと、やはりリーブマンのアルバムは素晴らしくて、大好きな70年代の熱気がしっかり伝わるのだ。やっぱり、こんなジャズが好きだったのだなあ、と改めて聴き惚れているのだ。リーブマンの良さは勿論のこと、Fenfer Rhodesを弾くリッチー・バイラークのドライヴ感は当時のチックと比べても遜色なし。とても気持ちよく音がグルーヴしているのだ。堪えられない。

 そんな訳で、最近、急に70年代ECMを聴き直しすこの頃なのだ。

追記:もっとも、「ECMの真実」を読むと、こんな熱気を嫌っているアイヒャーのことが書いてあったので、その後リーブマンのアルバムが出なかったのかなあ、と思っている。