K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

渋谷毅: Solo-Famous Composers(2007) 寒い日々だけど、日溜りでの午睡の気分で

渋谷毅: Solo-Famous Composers(2007)
   1. Skating In Central Park (John Lewis)
   2. Come Sunday (Duke Ellington)
   3. Peace (Horace Silver)
   4. 2 Degrees East 3 Degrees West (John Lewis)
   5. Candy Tree (Takeshi Shibuya)
   6. Love You Madly (Duke Ellington)
   7. Lotus Blossom (Billy Strayhorn)
渋谷毅 piano solo

 かつて日本のジャズが好きで随分とLPレコードを買った。体質的にしっくりくるのだ。前回の記事(Jazz会#南米大会)にも書いたのだけど、ジャズは音楽の様式を表わすのでなく、ある種のプラットフォームでなかろうか、ということ。だから、どんな音楽でも呑み込んで、汎世界的な音楽--何かしら同じような語法を共有するような--に仕立て上げる力があるような気がする。だから汎世界的なオトでありつつ、エスニックな香りも美味しい味付けとして有り得るのではないか。

 インチョンに降り立ったときのニンニク、スワンナプウムに降り立ったときのパクチー、のようにナリタでは醤油だという。だけどボクたちには当たり前すぎて、その香りは分からない。だけど安らぎのある香り、に違いない。日本のジャズを聴いたときの心地よい感じを、コトバにするとそんな感じかなあ。南米の音楽ほどよく分からないのだけど、「得体の知れない安らぎ」があるように思う。この渋谷毅もそう。そこはかとない安堵感に包まれるような。

 そう、寒い日々だけど、日溜りでの午睡の気分で聴くことができる。そんな音楽っていいなあ、と夜中にこっそりと仕事場で聴いているのだ。