時間があったのでゆっくりと岡山の街を歩いた。地方都市にありがちな、うらびれた感じが全くなくて、それなりに繁栄している様子が伝わる。戦後の昭和が薄く残っているような街並みで、活気のなかにも懐かしさがある。
ボクの場合、街の点景のひとつである本屋とかレコード屋とか、気になって仕方がない。だけど最近はネット通販の影響で、リアルな店舗の衰勢は眼を覆うばかり。金澤でも、とても気の毒で残念な感じ。この岡山で驚いたのは、堀端に近い書店街に藝術書と絵本の専門店があって、驚くばかりの本があったこと。嬉しくなって、よせばいいのに重い本を2冊も買ってしまった。それにしても商売が成り立っているのかなあ、不思議。
ひとつは前から欲しかった、稲岡邦彌 編著「ECM catalog (2010)」。ECMの全アルバム(当時)が紹介されたもの。ジャケットとともにアルバムのデータが記載されているので、眺めるだけで愉しい。網羅的なコレクションをやっている訳じゃないのだけど、ECMの空気が詰まってそうなので。
もうひとつは吉澤ヴィルヘルム著「ピアニストガイド(2006)」。かなり網羅的にクラシックのピアニストがファイルされている。なんだか良く分からないピアニストのアルバムまで、吸い込むように直感だけで手にしている。だから、どんなピアニストか知るためには、ちょっとしたキーワードがあると頭に入りやすい。そんな便利な感じが嬉しい。
それにしても重たい本を持って、電車で乗り継ぎ移動ってそれなりに苦痛。アホやなあ、と思ったりもしています。ふう