K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Audirvana plus: ディジタルオーディオのこと


 前にも書いたけど、ボクはオーディオ・ファンではない。今まで、装置にはあまり費用を投じていない。殆ど、LPレコードやCD、つまりコンテンツに費用を投じている。だから、あまり細かなオトの話しは分からない。その前提でのPCオーディオの話し。

 そんな凡庸な耳でも、LPレコードとディジタル・オーディオ(CDあるいはCDをリッピングしたiTunesからの音)を比較すると、やはりLPレコードの音が耳に心地良い。自然、としか表現できないのだけど、自己完結的な安心感がある。ディジタル・オーディオにはどこかひっかかり、があるのだ。

 いつだったか、iPODを直接McIntoshのアンプに直接つないだ音を聴いた。驚いたのは、かなりLPレコードに肉薄した自然な音がしたこと。それが何となく悔しい感じがして、少しディジタル・オーディオの再生に手を入れることにした。それが1年前。

 そのいきさつは、http://blog.goo.ne.jp/ken_jazz/e/ed263a279d202bc35c5408d91ec755b8 に。そのときに整備した結果が、次のとおり。

   LPプレイヤー:Kenwood KP9010
   DA変換器:ラックスマンDA-200
   再生SW:iTunes+Amarra mini (MACmini OSX 10.6, RAM 4GB)
   スピーカー:ダイアトーンDS-97C(フロアタイプスピーカ)
   系統1のアンプ
      プリ・アンプ:McIntosh C22
      メイン・アンプ:McIntosh MC30
   系統2のアンプ
           プリ・アンプ:DA-200を利用
           メイン・アンプ:Crown D-45

系統2のアンプは管球アンプの電気代に辟易して、普段使いに入れた安価なトランジスタ・アンプ。再生SWとして、iTunesで不満足だったので奮発してAmarra miniという再生エンジンを購入した。$400くらいだったかな。昨年春は、それで収まった。

 つい最近の話なのだけど、音楽再生専用に用いていたMACminiのOSをOSX10.6(Snow Leopard)から10.7(Lion)にup dateした。意味があまりなく、出来心なのだけど。その出来心に後悔してしまった。

・ディジタル・オーディオの再生音の透明感が増した、が、加工臭的なものを感じ始めた。

・ブラウザとの同時利用で、Amarra miniの再生エラーが頻発するようになった。

そんな最近のディジタル・オーディオ再生環境だったのだけど、安価な再生エンジンAudirvana plusの存在をネットで知り、評判も宜しいようなので試供版を試した(参考記事)。その感触がとても良かったので、そのまま購入。39ユーロなので4000円ちょっと。Amarraの約1/10。なんだかなあ、という感じ。仕方がないのだけど。通常のCD音源(44.1kHz,16bitサンプル)でもなかなか自然な音を聴かせる。それに加え、44.1kHz/16bitから96kHz/24bitにover samplingしてDA変換器に送る機能がある。試すと、96kHz/24bit音源にかなり近づいている。驚いた。

 96kHz/24bit音源の特長は空気感の再現だと思う。ボクのような凡庸な耳には、楽器の音の差異をあまり感じない。ただ会場の空気の再現性が高くなる。ジャズ・クラブでの食器やグラスの音、コンサート・ホールでの観客の音なきどよめきとか。幾つか買った96kHz/24bit音源(キース・ジャレットのケルンとか、ビル・エヴァンスヴィレッジ・ヴァンガード)と、44.1kHz/16bit音源から96kHz/24bitにover samplingした音はかなり近いように感じた。

 そんなお得感があるAudirvana plusなのだけど、画面は写真の通り。大きな高級オーディオ風の画面が田舎臭くて可笑しいのだけど。でも良かった良かった。

 追記:

(1)この手のソフトウェアで最も驚くのは,MP3やAACのような圧縮音源の音が随分復活すること。CDと比較して、情報が抜けたような音なのだけど、CD並には復活するように思う。

(2)ライヴ音源の臨場感が高まるのはいいのだけど、うるさい場合もある。今朝、ホロヴィッツのモスクワ・ライヴを聴いたら、ピアノの美音もさることながら、背後の雑音が気になった。