4月の頃から調子を崩していたように思える。気分がふらついているような感覚があって、落ち着かなかったし、酔い方も変。何かオカシナモノに憑かれたような違和感。そんな日々だったのだけど、ふらつきながら呑んでいたような気がする。挙句の果てに、体調まで落ち込んで、この1週間は仕事に出かけるのがやっと、という有様。なんだか、犀川南岸に張ってある結界(のようなもの)を、夜な夜な酔っ払って破るので、本当に何かが憑いてしまったような気がしていた。狐狸のようなものか。
昨日は朝から雷鳴が響いた。部屋の窓から外を眺めていると、寒気に導かれるように黒雲が流れ、みるみる雷光が走ったり、大きな音を立てて雨粒が叩きつけられたり。訳が分からないのだけど、なんだか少し愉快な気分になってきた。あれは何時くらいだろう、気がついたのは、憑物のようなもの、が居なくなっている感覚。いつのまにか住み着いたモノが、ストンと消えてしまった。だから仕事場では、晴れやかな気持ちになって、山積した書類を片付けたし、引越し以来の荷物も片付けてしまった。すっきり。箱詰めになっていた、数百枚のLPレコードも分類して、棚に仕舞った。すっかり気分がいいものだから、夜半すぎまでLPレコードに針を落とし続けた。そんな夜は久しぶりだなあ。
憑物が落ちたような軽々とした朝、なんか急に聴きたくなったのがDonny HathawayのLive !。近所(だった)バーで聴いてから気に入った。軽々とグルーヴするローズの音が大好きだし、ケレン味のないヴォーカルもいい。同時代のジャズが目指すべき先にあるような音楽、のような気がする。だから、こんな気分の朝に聴きたくなった。一年前にマンハッタンのBlue Noteの近所で買った真新しいLPレコードをターンテーブルに載せて、針を落とした。
すっかり軽くなった気分の代わりに、出勤がすっかり遅くなったのは云うまでもない。やれやれ。
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Donny Hathaway: Live ! (1972, Atlantic)
A1.What's Going On
A2.Ghetto
A3.Hey Girl
A4.You've Got a Friend
B1.Little Ghetto Boy
B2.We're Still Friends
B3.Jealous Guy
B4.Voices Inside (Everything Is Everything)
Donny Hathaway(vo, Fender Rhodes), Cornell Dupree, Mike Howard(g), Willie Weeks(b), Fred White (ds), Earl Derpuen(perc)