K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

福本陽子4@もっきりや:久々のジャズライヴを楽しむ


福本陽子(as)、船山美也子(p)、小林航太朗(b)、岡部朋幸(ds)

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 久々に柿木畠の「もっきりや」に出かけて、ジャズのライヴを聴いた。純ジャズのライヴは久々。最近のことは疎いので、福本陽子さんは存じ上げなかったのだけど、誘いがあって出かけた。ある意味、全く期待をせずに出かけたのだけど、存外に上手いバンドで、2ステージ2時間のライヴをとても楽しむことができた。

 とにかく、リズム・セクションの切れがよくて、速くても遅くても楽しませてくれる。ドラムスは叩いても、ブラッシで撫でても切れが良くて、スカンとパルスを送ってくるような感じ。それにうるさくない、のが素晴らしい。ベースもきちんと低音で刻むようなオーソドックスな演奏なのだけど、細かく聴かせてくれる。ピアノはクールにコードを押さえるのだけど、すっとハマッテ時としてはっとするような疾走感をみせる。

 アルト・サックスという楽器はなんとなく軽くて、結果としてボクが良く聴く奏者はドルフィーかペッパー。なかなか難しい楽器だと思う。福本さんの選曲が、殆どがバップ時代の名曲。だからバップ大会のような感じ。破綻なく、上手く吹いていた。だけど、ボクが一番いいな、って思ったのは2ステージめの冒頭。自作の曲。よくドライヴする曲で、なかなかスリリングに吹いてくれたし、リズム・セクションの疾走感がとても楽しかった。だから思ったのは、バップ名曲路線だけでなく、もう少し弾けて奏ってくれてもいいのかな、と強く思った。まあ無理矢理の、演芸フリーみたいなコトは全く期待しないのだけど。だけど、もっともっと強くプレイできる力を見せつつ、やや抑制的なプレイに終始したのは少し残念で、もっともっと飛翔して欲しいと思った。

 来年も金沢に来られるみたいなので、期待。同じメンバーで来て欲しいなあと思うのであります。