K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

MaL&伊藤大輔"Piece Of Cake"@金沢Fratino :昨年の余韻を残して聴いてみたら


 昨年の3月20日,あの震災の余韻のなか,彼は金沢にやってきて独り唄った。ループマシンを使った独特の音世界。確かに21世紀のテクノロジーの恩恵の音楽(あっさりと長時間の音を半導体にぶち込めるのだから)なのだけど、テクノロジーの上に乗っかる音は素朴で、摩訶不思議で、なによりも静寂なものだった。ミルトンのPonta De Areia にも驚かされたしね。

これがボクが大好きなミルトンとウエィン・ショータの演奏(余分だけど)

 あれから一年。voice percussionのMaLを伴ってのライヴが金沢駅西Fratinoで行われた。

 

 前回よりも多くの人が集まっていた。迫力の「打楽器」を得て、躍動感のある「アカペラ」のライヴを楽しむことができた。 今回はPiece Of Cakeという二人組みで楽しい曲を楽しく奏る、という気持ちがまっすぐ伝わってきた。ミルトンの曲も再演され、さらにタニア・マリアの器楽的な歌(?)も加わり、楽しむことができた。個人的には冴えない一日だったので、最後に美味しいビールを飲みながらライヴを楽しめたことは、とても幸せな気持ちになった。一生懸命Local arrangeをやっておられたY姉には感謝したい。

 昨年聴いた、あの音の世界はときどき垣間見えるのだけど、今回は控えめ。昨年の余韻を残して聴いてみたら、それが何となく残念。またまた金沢にやってきて、声がつくる世界の深みをもっともっと見せて欲しいと思ったのは、きっとボクだけじゃないだろうな。待ってます。