K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

夕暮れからのバンコク


 珍しく何も予定がない一日、昼行便が取れなくて夜行便となったから。サイアムあたりを歩いてみた。空はどんよりとしていて湿気が強い。憂鬱になる訳でもなく、なんとなく全てのシガラミから逃れたような無気力な軽快感。ちょっと敷物が欲しくて店をみてあるいた。全くの事前調査なしだから、何もみつからなかったけど。大きなショッピングモールの上に行って、フードコートで麺類を幾つか注文して、ビール呑んで。低緯度にあるので、急いで沈んでいくお日様をみて。

 まあショッピングモールなんかよりは、知らないソイを迷いながら歩く方が楽しいのだけど。歩くには蒸し暑すぎる。陽が沈んでからはホテルのあるソイに戻ってぶらぶらした。

 あまり日本人はいなくて、数人の夫人や沢山の子供を連れたアラブ人、イサーン顔の現地女性を連れた西洋人、現地の物売りが行き交うソイ。猥雑ってコトバがぴったりなのだけど、5年も来ていると少しずつ変わっている。猥雑さ、が減ってきている。側溝の腐敗臭は消えたし、象使いを見かけなくなったし、立ちんぼの数も減った。2ストロークバイクの轟音も減った。いつも澁澤龍彦高岳親王航海記を思い出させてくれた、姿を見せない鳥の頓狂な叫び声も聞こえない。何よりも残念だったのは、近所のバーの空気が決定的に変わったこと。田舎(イサーン)風のおばさんがカウンタ内にいて、ダルそうにビールを出す店なのだけど、緩い空気が何処かへ消えてしまった。店員の男女がフザケている姿なんて、ついぞ見なかったのだけど。

 夜行便で足が腫れ上がっていたので、足マッサージに出かけた。1時間300バーツ。いつもは逞しいオバさんが、足をシゴイてくれるのだけど、今回はニイちゃん。強い力で足と肩をほぐしてくれた。久々に50肩を完治。いつまで維持できるかなあ。 こんな緩い夜を過ごしてました。