K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Eric Kloss: To Hear is to see(1969) なんともカッコ良しの時代の音


 ボクが好きな70年代のオトって、60年代後半に萌芽があって,69年くらいから吹き出したような感じ。なんともカッコ良しの時代の音だなあ、と思うのは、1969年夏のマイルス・デイヴィス、欧州ツアーのリズム・セクション。チック・コリアフェンダー・ローズ、デイヴ・ホランドのベース、ジャック・デジョネットのドラム。脳天に突き抜ける8ビートに参ってしまう。なんだかんだ、といっても、このオトが好きなんだなあ。

 このエリック・クロス、盲目のアルト吹きと紹介される、の1969年7月録音のアルバムでは、あのリズム・セクションがバック。驚き。あのオトにエリック・クロスのアルト・サックスを載せている。やはり、なんとも格好いい。このアルバムもジャズ・ロック風にはじまるのだけど、もう痺れるくらい、アノ音なのだ。軽くディストーションさせたチック。ズンズンと打ち込むデジョネット。エリック・クロスも軽めだけど、バランスは悪くない。楽しい。

 何でこのアルバムを思い出したかって? 昨日、金沢駅のLP/CDフェスティバルのようなものがあって、大量にLPレコードが出展されたから。70年代の懐かしいLPを繰っているうちに、気分が30年前までぶっ飛んだから。この頃の渡辺貞夫も「My dear life」してなくて、なかなか激しくて格好いい。そんなこと・あんなことを思い出して、8枚もLPレコードを買っちゃったけど。やれやれ。

 エリック・クロスは、ヴォーカリーズの名手エディ・ジェファーソンのアルバムで聴いてから、ちょっと気になった存在(かのリッチー・コールとの2アルトでSo Whatなんかを奏っててね)。案外いい。あとパット・マルティーノとの録音もいいし、聴かない手はなし、である。

 それにしても1949年生まれのクロスだけど、1981年から吹き込みは無いみたい。ふっと、今は何をしているのかな、って気になる奏者なのだ。

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Eric Kloss: To Hear is to see(1969, Prestige)
   1. To Hear is to see       
   2. The kingdom within
   3. Stone groove
   4. Children of the morning
   5.Cynara
Eric Kloss(as, ts), Chick Corea(p), Dave Holland(b), Jack DeJohnette(ds)