K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

渡辺香津美:Lonesome cat (1977) あのころを聴くぞ、よしっ


 印度支那へ行ったり、親族の初盆だったり、8月に入ってじっくり音楽を聴いていない。久しぶりに自宅の音響装置の前に座って、ふっと思った。「あのころを聴くぞ、よしっ」

 そう。1980年前後の音楽が好きなんだよね。最近は、あの頃のLPレコードも随分と買った。だから、しっかり聴かなきゃ、って思った。

 このLPレコードは7月の金沢駅での音盤フェスで買ったもの。ボクの蒐集基準にぴたっとくるLP。1980年前後の日本のレコード会社製作。録音や盤質は申し分ない(筈)。

 針を下ろすと、ケイブルスのFender Rhodesが堪らない。コロコロよく転がる感じ。これだけでも嬉しい。実は結構好みのアレックス・ブレークのグルーヴもいい。アレックス・ブレークはファラオ・サンダースとも、マンハッタン・トランスファー中野サンプラザの公園)とでもやる器用なオッさん。ドラムはレニー・ホワイトなので、なんとなくRTFを聴いているような錯覚の瞬間が多い。こんなリズム・セクションって70年代の薫りで一杯。

 さて香津美さんの音は、うん、彼の音そのもの。同時期の矢野顕子の録音(長月・神無月)を聴いて、今とあまり変わらないことに感嘆。このLonesome Catの音は、彼の個性に満ちていて、聴いていて楽しい。これがジャズかどうか、って議論が当時あったかと思うが、今聴くと、しっかりジャズの語法の音楽じゃないかなあ、と思う。

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渡辺香津美: Lonesome Cat(1977, Denon)
   A1. Somebody Samebody
   A2. Mirrors
   A3. Aqua Beauty*
   B1. Blackstone
   B2. Moving Nozzle
   B3. Lonesome Cat*
渡辺香津美(g), George Cables(p), Alex Blake(b),Cecil McBee(b), Lenny White(ds)