K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

ジョージ川口:スーパー・ドラムス(1979) あの頃のキングレコード


 ボクの仕事が忙しいのは1月から2月。かなり厳しい日が続いている。昨夜はソファーに寝転んでデューク・ピアソンを聴いていたら眠ってしまい、風雪が窓を叩く音で明け方眼が醒めた。なんかそんな感じの日々が続いている。暇な時はなんか芯が抜けたような感覚になるので、まあ忙しいのはいいことだけど。連日のように届くレコードを聴きながら夜を終わっていくことは、楽しいよね。それにしても、グルーヴ感を求めていくうちに、ハード・バップに着地しそうなので、あれまあと思っている。

 それはさておき、この30年来、疲れた時に気軽に聴くジャズの嚆矢、とも云えるのはジョージ川口のスーパー・ドラムス。ビッグ・コンボで当時(1970年代後半)のヒット曲をカヴァーする一枚。一見、安易とも言えなくもない企画に見えるのだけど、メンバーを見てほしい。当時の優れた奏者を集めていて、短くもキレのいいソロを聴くことができる。ジョージ川口(ds), 鈴木勲(b), 市川秀男(p)という昔のビッグ4のメンバーだからリズム・セクションは抜群。如何ようなビートも上手く叩き出している。市川秀男もリリカルにスイングしとても楽しい。1980年頃の大学生にとってジョージ川口は十分過去の人だったのだけど、これで再び脚光を浴びたように記憶している。そして彼が亡き今も全く同じように楽しめている。上田力の編曲も凝りすぎていなくて、各人のソロが光っている。うまい。それに加えて録音がいい。

 あの頃のキングレコードの日本のジャズは本当に素晴らしい。だから、思い起こすと、このPaddle Wheelってレーベル名で毎月のように出ていたLPレコードをよく買っていたなあ。

 下に貼り付けたyoutubeを聴いてみて。途中、市川秀男の電気ピアノが軽やかに流れると、疲れたときには特にほっとしてしまう。いい曲をいい編曲でカヴァーするといい、って当たり前のことがしっかり出来ているのだと思う。醤油味のバディ・リッチ(70年代のね)みたいな楽しいアルバム。

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ジョージ川口:スーパー・ドラムス(1979,Paddle Wheel)
   A1. タッパン・ジー
   A2. フィール・ソー・グッド
   A3. 言い出しかねて
   A4. 可愛いアイシャ
   B1. 宇宙のファンタジー
   B2. 迷信
   B3. 愛はきらめきの中に
   B4. フレンズ
ジョージ川口(ds), 鈴木勲(b), 市川秀男(p), 松本英彦,清水靖晃(ts), 大友義雄,沢井原児(as), 中沢健次,岡野等(tp), 塩村修(tb), 及川芳雄(tb)
上田力(arr)