K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Great Guitars At Winery (1980) 帰国したら聴きたいな、って10年振りに思ったんだな、あの時のように


 間違いなく一年で一番忙しい時期。年明けから体を休めず、働いたり、遊んだりしていたのだけど、ついに破綻。日曜日は発熱して唸っていた。幸い、一日寝ていたら翌日には平熱に復旧したのだけど、独りで中々心細いものだった。転げる坂の下って見えないからね。あまり夢を見ない(見ることができない)生活なので、断片的な映像が襲い掛かる感じもちょいと恐ろしいものだった。

 そんなことと関係なく、仕事場では相変わらず忙しいのだけど、こんなときにぴったりなのはこんな音楽。30年以上前のギターアンサンブル。確か同じ時期の3本ギターといえば、パコ・デ・ルシア、アル・ディメオラ、ジョン・マクラフリンの「Super Guiter Trio」なのだけど、これは、その頃すでにオヤジ化していた「Great Guitars」。Charlie Byrd, Barney Kessel そしてHerb Ellis。西海岸の軽妙な3人。とにかく気持ち良くスイングする。とりわけバードのアコウスティックな音がよろし。こんなのを聴いていると、ジャズとボッサが腹違いの兄弟だって、よく分かるような感じ。

 それにしても何でこんな楽しい軟弱なLPレコードを大学生の頃買ったのか、それが思い出せない。堂島のワルツ堂の輸入盤セールだったのだけど。フリージャズにハマっていた頃だったからね。確かに、買ってから20年は聴いていなかった。ボクがオヤジ化してから、ほのぼの良さを感じるようになった。多分、コンコードって、モダンジャスの本流(?)から距離を置いていたレベールの試し買いだったような気がする。コレとスコット・ハミルトンを買ってから、手を出さなかったからね。

 このLPレコードを思い出したのは10年位前かなあ。出張で北カルフォルニアへ行った時。技術屋のボクを乗せて、事務屋のK君がハンドルを握る。サンフランシスコから州都サクラメンテの方向へ進む。抜けるような青空の下、そのうちにぶどう畑が続いた。給油に立ち寄ったスタンドでK君が、ナパの横を通っているんだよね、って気怠く云った。ナパって言葉でワインじゃなくて、このLPレコードを想い出したのはご愛嬌。なんか帰国して聴きたくなった記憶がある。サクラメンテの先に、有名な半導体メーカがあって、そことの提携交渉で押したり・引いたりして鬱陶しい時期だったからね。

 先日、テキサスからの帰途、長いトランジットでサンフランシスコ空港のラウンジに籠っていた時、変わらぬ青空を眺めながら懐かしくなったんだな。そんな訳で、帰国したら聴きたいな、って10年振りに思ったんだな、あの時のように。

youtubeにこのレコードはアップされていないので、同時期の同じギター奏者で

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Great Guitars At Winery (1980, Concord)
   A1. Broadway
   A2. Air Mail Special
   A3. Body And Soul
   A4. You Took Advantage Of Me
   A5. So Danco Samba
   B1. Sheik Of Araby
   B2. Straighten Up And Fly Right
   B3. Just In Time
   B4. The Talk Of The Town
Charlie Byrd, Barney Kessel and Herb Ellis(g), Joe Byrd(b),Jimmie Smith(ds)