馬鹿みたいな勢いでLPレコードを買っているが、価格というもの、に対してある種の感情がある。懐にある金額の多寡に関係なく。物品としてのレコードの価値(音楽の価値じゃない)と価格とのバランス、のような。勿論、金を注げば何でも手に入るが、そんなのは面白くない。自分のなかにある物品の価値体系と価格が織りなす対話なのだと思う。モノを集める楽しみの一つは。「何で聴かないものまで買ってしまうの?」って、このあいだ訊かれて(というより指摘、に近いが)、聴く前にソレを愉しんでいるから、が答えだと思った(SAくん、SNちゃんへの答えはそうじゃないかなあ)。
最近、LPレコードの値段が上がっているように思えてならない。所謂「餌箱」のなかの500円前後のLPレコードで楽しんだ記憶があるのだけど、最近、とんと見かけなくなっている。
だから昨日出かけた名古屋・大須「Greatest Hits」(SAくん推奨)に出かけたとき、その懐かしい感覚が蘇ると同時に、その質の高さに驚いた。「餌箱」なんてものじゃない。300円から500円の値付けで、気になっていたレコードがぞろぞろ。沢山教えてもらった名古屋のレコード屋、ここ1軒で撃沈(金沢へ帰る前にもう1軒は行くけど)。
店内もすっきりしていて、長時間滞在でも「あの押しつぶされそうな圧迫感」がないので楽。店員に、SAくんに教えてもらった、と伝えると、オーナーがお世話になっています、って。確かに経営支援だものね。
ジャズ。デューク・ピアソン、ミッシェル・ルグラン、ギル・エヴァンス、アート・ファーマー、ビリー・ホリディなどなど。ブロンソンのジャケはハービー・ハンコックのサントラ。彼のLPは随分そろってきた。
渡辺貞夫のCBSソニー時代のものは好き。二枚入手。あと坂本龍一。
ブラジルのボッサ系。Elencoの再発モノは無条件で手が出る。Luiz Bonhfaも楽しみ。黒いのはジャケ買い。フランス人のすなる南米。このあたりは1000円から1500円。
フュージョン。ヒューバート・ロウズが1000円ちょっとかな。あとは300円から500円。ベンソンのCTI時代2枚とかラムゼイ・ルイス、コブハムも格好いいジャケット。
一番沢山買ったのはBlack music。EW&F、マリーナ・ショウ、チャカ・カーン、レイ・パーカー、パティ・オースチン、プリンス、スティービー・ワンダー、マンハッタンズ、ロバータ・フラックなどなど。マリーナ・ショウ以外は300円か500円って信じられる?
[追記] 翌日、気になっていたレコードを拾いに再訪。馬鹿だなあ、と思うのだけどね。