K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Miles Davis: Kind of Blueの演奏のことじゃなくて

左が初期のCBSソニー盤、右が米盤(1980年頃)

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 GWもカレンダー通りで、気忙しい日々を送っている。昔から循環気質で、気分の上げ下げが強いのだけど、ここにきて下げが強い。どうしたことか。困ったことだ。レコードを聴きながら、やり過ごしている。

 亡父のレコード箱のなかにマイルス・デイヴィスのKind of Blueが2枚ある。勿論ボクも1枚持っている。彼の1枚とボクの1枚は同じ米盤で1980年頃のもの。PCでレコード番号がはじまる。彼のもう1枚はCBSソニーの初期盤(だと思う)でジャケ裏は日本語。ビル・エヴァンスの解説が邦訳されている。CBSソニーが設立されたのが1970年頃だから、その頃のものだと思う。さすがにジャケットはいわゆるペラ・ジャケじゃないが、60年代のレコードの薫りたっぷり。昔の日本のレコードって、品質もあまり良くない印象が強いので、処分を考えていたのだ。

左が初期のCBSソニー盤(サンプルの判が)、右が米盤(1980年頃)

 最近、レコード盤によるオトの違いが気になって、念のためと聴いてみて驚いた。その後の米盤より、遙かに音が良い。何よりも定位感が良くて、音の輪郭がはっきり。ポール・チェンバースのベースがくっきりと中央に定位。ビル・エヴァンスのピアノが厚みがあり切れが良い。キャノンボール・アダレーのアルトの吹き上がり、ジョン。コルトレーンのテナーのブロウも強烈。勿論、フィリー・ジョー・ジョーンズのシンバルが生々しい。その後の米盤は輪郭が緩く、風呂場で鳴らしたような感じ。

 カートリッジやアンプの交換では、こうも変わらない。さて、1950年代のオリジナルは、と気になってきた(ので手配してしまった、あれま)。結局、マスターテープの経時劣化もあるだろうが、カッティングまでの音響処理での人的介在が大きい(re-masteringと呼ばないレベルでも)のだろうな、と思う。オリジナル盤の音の良さはブログ記事で散見されるが、CBSソニーの盤については見かけない。

実はプロモーション盤でレーベルは黄色い。盤質は極めて良い

 ちなみにCDは音質はとても良いのだけど、芯が抜けた迫力が足りない音、だった。オーディオ装置よりもレコード盤のほうが安上がりな対策とは某サイトの至言であるが、妙に納得した。が、安上がりでも枚数を揃えると怖い。もう、やめようといつも思っているのだけど。亡父も銘盤売場併設のオーディオ屋のオヤジに勧められて手にしたんだろうな、と推察。あまり似ているとも思えない父親だったのだけど、似たような隘路を歩んでいるので、独り苦笑いをしてしまった。

 Kind of Blueのオリジナル盤(モノラル)が入着したら、また書く。決して、その道に入った訳でゃないのだけど、ジャズ・ファンだったら分かるよね?一回は聴いてみたい、良い音の演奏、ということなのでけどね。(クワバラ・クワバラ)