K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Bill Evans: Waltz for Debby (1961) ああ溜息

 今夜、Waltz for Debby、何枚目だろうか、が届いた。1960年代のプレス。オリジナル盤ではなくて、Riversideの経営がオリン・キープニューズから変わった後の再発盤。レーベルがオリジナルとは異なる。最近知った記事で、このオルフェイス盤が美音だと知って入手した。そして、今宵、届いた。

 ああ溜息。何回も何回もターンテーブルを回している、

 音楽は録音じゃない、と思っていた時期が長く、装置にも気を配っていなかった。音源も安いものを沢山集めてきた。最近になって、亡父の音響装置を使うようになり、美音への関心が強くなってきた。クラシックを聴くようになって、楽器の音色に気持ちがいくようになった、ことも大きく作用していると思う。

 あのVillage VanguadでのBill Evans Trioの演奏を美音で聴きたかった。だから、昔のMilestonから出た二枚組編集盤(Motianのドラムが雑音に聞こえた)、ヴィクター盤、CD時代になってOJC盤、Village Vanguadの編集CDなど買い集めた。さらに海外から配信される96kHz,24bitの高音質音源を入手し、確かにVillage Vanguadの空気が伝わることにも驚いた。

 このオルフェイス盤では、CDでの美しいが薄い膜が張ったような音の膜が破れたような感じ。演奏時の空気がしっかり運ばれてくる。とても明瞭。そして分厚い。エヴァンスの美音が非常に近く響くような感じ。またVillage Vanguadの客が作り出すリラックスした空気も完全に伝わる。それにしても96kHz,24bitよりもリアリティが強いのには驚いた。

 結構な出費だったのだけど、何回も聴くことを考えると、大したことではないように思えた。

 それにしてもRiversideのレコードを聴いて音がいい、と思ったことはなかった。それは後年の再発盤の音が悪いのであって、Riverside自体の音はとても良い、ということを知った。なんか悩ましいね。気狂いのタネが増えて。