朝からの雨は昼過ぎにあがった。曖昧な雲が流れ、湿気を孕んだ冷たい風が部屋に吹き込んでいた。積み上げた本を崩しながら、何冊か取り上げて字面を追いかけていた。
いつの間にか居眠りをしていたら、赫い光が漏れていた。慌てて外を見たら、日が沈むの瞬間だった。
日没の様子も綺麗だったのだけど、幾重にも重なる雲に映える残照の階梯が美しいように思えた。そして、部屋の灯りを点けて、読みかけの本を手に取った。
籠もったような休日だったけど、早すぎる秋を愛でたような気持ちになることができた。
南西の空
南の空
東の空