K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

The three sounds: Moods (1960) Blue Note Soundsの楽しさ、そして

 最近、格安で入手した1枚。オリジナル・プレスのモノラル。例の「耳」マークも入っている。ジャケットはコーティングされた厚め、インナーには数々の名盤の写真。盤のスクラッチ・ノイズも少なく、くすんだ感じの「Blue Note Sounds」を楽しむことができる。

 こんなときは、真空管のプリ・メイン・アンプで聴くと、より時代感が増す。とりわけ音の美しさ、HiFiということに重点を置いた(ように思える)RiversideやContemporaryと比べ、Blue Noteの音場は時代がかったアンプと良く合うように思える。

 こんな素晴らしいプレスが新品のCDと同じくらいの価格、には驚くが、ジーン・ハリスのスリー・サウンズの何となく人気なさ故か。確かにボクも30年前には聴かなかった。軽音楽というコトバがぴったりのジャズで、名曲を肩肘張らずに聴かせる温さ、の良さは齢をとって分かってきたように思う。improvisation云々はともかく。

 そんな緩いピアノ、されど黒光りするような音の良さ、を聴くとなれば、指の速さや、自己陶酔的な美しさ、とは全く違う軽音楽としてのジャズを楽しむことができる。良い意味で右から左に流れる。心地よい時間の後には、その「心地の余韻」だけ残して、音の記憶はカケラも残さない。そんなジャズも良い。

  勿論、名盤だとかjazz giantsとか呼ばれる人の演奏とか、聴けば必ず分かる個性が光っているのだけど、そればっかりがジャズでもないよね、ということをしっかり教えてくれる。

 それにしてもBlue Noteらしくないジャケットが秀逸。殆どはモノ・トーンと見紛うのにね。レーベル・オーナーのアルフレッド・ライオンの細君だったかな。

 

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The three sounds: Moods (1960, Blue Note)
   A1. Love for Sale (Porter)
   A2. Things Ain't What They Used to Be (Mercer Ellington)
   A3. On Green Dolphin Street (Bronisław Kaper, Washington)
   B1. Loose Walk (Richards, Stitt)
   B2. Li'l Darlin (Neil Hefti)
   B3. I'm Beginning to See the Light (Ellington, George, Hodges, James)
   B4. Tammy's Breeze (Gene Harris)
   B5. Sandu (Clifford Brown)
 Gene Harris(p), Andrew Simpkins(b), Bill Dowdy(ds)