K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Brad Mehldau, Mark Guiliana: Hungary ghost (2013) 打楽器のパルスが繰り出す細動の昂奮

 SNSがいいなあ、と思うのはレコード会社や奏者の情報が楽に入手できること。いつだったかNonesuchのfacebookのページを見ていて、来年2月、Brad Mehldauの新作が出ることを知った。Nonesuchのページは以下:

Nonesuch Releases "Mehliana: Taming the Dragon," Debut Recording from Brad Mehldau and Mark Guiliana Electric Duo, February 11

 

 まあ、そのときは何だかなあ、のジャケットと思っただけ。それにメルドーのアルバムはボクにとって当たり外れが結構あって、そんなにマジメにおいかけている訳ではない。つい最近、youtubeでプロモーション・ヴィデオを見て、驚いた。本当に素晴らしい。

 メルドーはFender Rhodesとシンセサイザを弾いている。それが本当にスリルに溢れる漂うような音場を作っている。そこに切り込むドラムの マーク・ジュリアナの正確なシンバルワークが素晴らしい。しばらく聴いていると、打楽器のパルスが繰り出す細動の昂奮に包まれる。久々に殴るような音の愉悦のなかに叩き込まれる。デュオというのは、楽器と楽器の絡み合いのなかで、間を愉しむような世界なのだけど、これは違う。二人で音の小宇宙を作り出していて、ちょいとしたオーケストレーションを叩き出しているのだ。暴力的な引力。

 ボクは不勉強なので、マーク・ジュリアナは初めて認識したのだけど、どんな楽歴なのだろうか。もう少し、調べて聴いてみようかな、という気になった。

 メルドーってジャズの本流的なものより、Modern musicのような現代音楽寄り、あるいは、このデュオ・ユニットのような不思議なビートを扱ったもの、やや周縁寄りのアプローチに魅力を感じるような気がする。早くアルバムがリリースされないかなあ。