LPレコードで聴いている。柔らかい声に包み込まれる。それだけで十分。降り続く雪の朝、ターン・テーブルに載せて聴くレコードを選ぶのに、少し時間がかかった。この数年ないくらい気持ちが疲れていたので、ふっと手にしたのはブロッサムのレコード。
いつだったかジャズ雑誌(忘れた)を読んでいて、Free Jazzファンにはブロッサム好きが多く、要は変態ジャズ・ファンだよね、って書いてあるのを読んで吹き出してしまったことがある。当時のボクの嗜好そのものだったからね。なんか、ありそうな話だよね。だから、ブロッサムの熱狂的なファンではないのだけど、レコード棚に見かけると連れて帰っている。
このアルバムはそんな1枚。晩年の自主レーベルDaffodilから出たもの。小編成で、しかもブロッサムのピアノが美しくスィングしている。声の艶や張りは全く若い頃から衰えていなくて、青かったGirlish voiceに淡い色気がついているので、むしろ晩年のほうがいいのかな、とすら思える。NPRのpiano jazzでの収録(とても好きなネット音源)と同じ時期で、その音をLPレコードで聴いているような嬉しさ、がある。
こんな感じで、あと20年近くニューヨークのクラブでうたい続けたブロッサムの凄さ、を思う。しばらく、ターン・テーブルに載せる事が多くなりそうだ。
youtubeは同時期のライヴ(埋め込めないようなので、リンクで)
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Blossom Dearie – Songs Of Chelsea(1987, Daffodil)
A1. My Attorney Bernie
A2. Everything I've Got
A3. C'est Le Printemps
A4. When In Rome
A5. Let The Flower Grow
B1. My New Celebrity Is You
B2. What Time Is It Now
B3. You Fascinate Me So
B4. There Ought To Be A Moonlight Saving Time
B5. Chelsea Aire
Blossom Dearie(p, vo), Bob Cranshaw(b), Jay Berliner(g)