K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Kurt Rosenwinkel : The Remedy (2006) 仕事場のジャズ


 さすがに仕事場でレコードを聴くことができるようにはしていない(当たり前か)。自室のディジタルデータをコピーして、iTuneで小型のアクティブ・スピーカを鳴らしている。存外によい音で、仕事場の環境としては最高。気分に合うと本当に何回も聴いているように思う。LPレコードと違って、PCをクリックするだけだから、仕事の邪魔にならない。

 なんだかギターばかり聴いているように思えるが、実際そう。30年前には、全然聴かなかったのに、嗜好が変わってきたようだ。

 今聴いているのは、カート・ローゼンウィンケルヴィレッジ・ヴァンガードでのライヴ。音の流れにスピード感があって、そのスピード感がジャズそのものって感じの気持ちのよい音。ボクはギター奏者のアルバムにサックスが入っているアルバムはあまり好みでない。パット・メセニーのUnityもそうだったし、マルティーノの近作もそう。なんとなくギターが作る音に対する異質感が気になるのだ。交代でソロを取っている感じが古くさく感じるし、また「音の密度」のようなものが不均一で気持が悪い印象が喚起されるのだ。

 ものアルバムもメンバーを見るとそれが気になって、暫し手に入れなかったのだけど、なんとなく評判が良さそうなので、買ってみた。不思議なことに、サックスの存在が気にならない、というより、とても全体でよい感じにまとまっているように思える。何故だろう。多分、ギターが作る音の流れ、のようなものに対して、サックスの音の流れが上手くinspireさていて、スピード感が近いのではないか。あたかもギター・バトルと同じような感じが作られていて、いい感じで素朴な昂奮を感じるようになっている、と思う。まさに、ジャズを聴く悦びが、たっぷりと詰まっている。

 さて、まだまだ仕事があるので、このあたりで。あと何回聴くかな。

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Kurt Rosenwinkel : The Remedy (2006, WOMMUSIC)
Disc-1
    1. Chords
    2. The Remedy
    3. Flute
    4. A Life Unfolds
Disc-2
    1. View From Moscow
    2. Terra Nova
    3. Safe Corners
    4. Myrons World
Kurt Rosenwinkel (g), Mark Turner(ts),  Aaron Goldberg(p),  Joe Martin(b), Eric Harland (ds)