K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Freddie Hubbard: Red Clay (1970) スカっと抜けていくジャズをタマには


 この2年くらい、昔のLPレコードの音に惹かれて、最近の録音はあまり聴いていなかった。最近、中川ワニ氏のCrazy(褒め言葉)な蒐集話やグラスパ本とかの刺激もあって、戦線復帰を模索中。10枚くらいは最近のものを手にしたけど、なかなかアタリはとれない。なかなか釣れないものだ。気に入ったのはグレッチェンくらいかなあ。

 今週に入ってレコード関係の支払いを見たら目眩。そろそろ手仕舞い感が漂っている。まあ結構満足したし、あとは初期ECMをゆっくり、新しい音も少し追いかければいいかなあ。と思いながら、今夜聴いているのは何故かフレディ・ハバード

 思い起こせばこのメンバー、ドラムをトニー・ウィリアムスにして、サックスをウェイン・ショーターにすればVSOP。1979年の万博公園で聴いたなあ、としみじみ。あのとき、とてもハバードがいいなあ、と思ったのだけど、VSOPのアルバム以外だと、気に入った盤はあまりない。Red Clayくらいかないかなあ。VSOPよりも、このアルバムのほうが好きかも知れない、今は。ハンコックの適度な電化サウンドが1970年代らしい良質なジャズになっているからね。レニー・ホワイトのドライヴ感がたまらない。

 スカっと抜けていくジャズをタマには聴くのもいいものだ。

 ボクにとってクリード・テイラーって良し悪しのアクセントが強くて、なかなか難しい。セベスキーとかのアレンジものは、なんか古びた笑えるものが多い。一方、素晴らしいものも適当に混じっているので面白い。かつては喰わず嫌いのCTIだったのだけど、今は案外聴いているような気がする。

 今のジャズ、に足りないのは、こんな熱気を孕んだドライヴ感だよなあ、と思ったりするの何だなあと複雑な心境。

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Freddie Hubbard: Red Clay (1970, CTI)
   A1. Red Clay
   A2. Delphia
   B1. Suite Sioux
   B2. The Intrepid Fox
Freddie Hubbard(tp),  Joe Henderson(ts), Herbie Hancock(el-p), Ron Carter(el-b), Lenny White(ds)