K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

日野皓正: Hip Seagull (1977) まっすぐな感じのトランペット

 昨日はフレディ・ハバードだったので、今夜は日野皓正。ボクの頭のなかで二人は同じ部屋に入っていて、あまり難しい音楽をやっていなくて、割とまっすぐに吹き抜けるような感じが魅力、という奏者。だからRed Clayのあと、聴きたくなった。

 そんな「まっすぐ」なトランペットを楽しめるのが1970年代後半、彼がニューヨークへ移住した後のVictor盤じゃないかな、って思っている。これは、そのなかの一枚。昨日はハービーの電化ピアノだったのだけど、これは益田幹夫。日本的(?)なグルーヴ感、なんか初期のウェザー・リポートのような味なんだけど、もっと洗練されているように思える。滑らかで、格好がいい。その不思議なグルーヴ感のうえで「まっすぐな」トランペット。

  A面は日野皓正の曲。当時のフュージョンの体裁をとっているが、キツめのソロを繋ぐブロー合戦。すごく良くドライヴしていて楽しいのだけど、なんとなく古さ、を感じる。元彦さんのドラムはいいなあ。

 B面のほうは、もっと良くアレンジされていて抑えめなのだけど、とても良く出来ていて楽しいし、格好いい。昨日、Red Clayをアップあいたあとに、Twitterでオラシオ氏もRed Clayを語っていたので驚いたのだけど、そのときの彼の話のなかで、レニー・ホワイトの叩きすぎない感じ(音響や質感など、より俯瞰した視点から考えるとレニーのあの微妙に突っ込まない感)の生む効果、に気づかされた。B面の良さも、そんな感じかなあ、と思った。益田幹夫のFender Rhodesの音色、はとても美味しいしね。

 残念なのはジョンスコがあまり存在感がないこと。まあ仕方がないが、贅沢なアルバムだなあ。

 

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日野皓正: Hip Seagull (1977, Flying Disk)
    A1. Hip Seagull
    B1. This Planet Is Ours
    B2. Fall
    B3. Life Trip
日野皓正(tp),峰厚介(ss.ts), 益田幹夫(p), John Scofield(g), Clint Houston(b),ジョージ大塚(ds, side-B), 日野元彦 (ds, side-A), M'tume(perc), 笠井紀美子 (vo, B2), Tawatha (vo, B1)