K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Archie Shepp: Montreux One/Two(1975) Last Dateの次に好きなアルバム

Archie Shepp: Montreux One/Two(1975, Freedom)
[One]
A1. Lush Life
A2. U-jamaa
B1. Crucificado
B2. Miss Toni
[Two]
A1.Stream
A2.Along Came Betty
B. Bluse For Donald Duck
Archie Shepp(ts,ss), Charles Majid Greenlee(tb), Dave Burrell(p), Cameron Brown(b), Beaver Harris(ds)
Recorded on July 18, 1975 at the Montreux Jazz Festival, Montreux, Switzerland.

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ボクが一番好きなジャズのアルバムは間違いなくドルフィーの「Last Date」。しかし、ボクの思考はそこで止まっていて、あとは混沌とした泥沼のような音の見出しが散らばっている、ような感じ。

そもそも「好きなアルバム」って何だろう、という点に考えを遡ると、もう駄目。そのこと自体が散らかっていることが自覚される。でも結局の所、「聴く度に、音を聴くという行為が、ある種の感情を深く満たしていく」アルバムじゃないか、と思う。

 その意味で、このシェップのライヴ・アルバムは基準を満足していて、最近になって仕事場で良く聴いている。

 1960年代の剥きだしの破壊衝動(そのものを目的とするような)のような「エグ味」が影を潜め、ドライヴ感たっぷりのリズム・セクションのうえで黒い咆吼が続く。 U-jamaaでゆっくりと階梯を登りながら、浅い昂奮に辿り着く。ギアの切り換え感、が快感を呼び起こしている。ボクはトロンボーンという楽器の締まりのない音が好きではない、のだけど、ここではシェップのサックスの「伴奏」として、音の厚みを与えることに専念しているので、全く気にならない。