陸路６時間半の先に、この街があった。初印象のとおり、開放的で優しい街だと思った。
仕事で徳島に来ている。ゆっくり来るのは20年振りくらいじゃなかろうか。まだ30代の頃、早春の瀬戸内の食べものが美味しかった記憶がある。眉山の麓、酔っ払って柔らかい風が気持ちよかった印象が強い。
今回は秋のはじまり。昭和の雰囲気が色濃く残っていて、そして活気がある。四国の街の味わい、のようなものが歩いていても感じる。日本が東南アジアから台湾に連なる島嶼であることを、改めて感じさせるような、開かれたような空気が流れる。多分、黒潮が運んでくる空気、じゃなかろうか。
食事の後、同僚とBarの探索にでかけた。街角に立つ気さくな客引き、還暦前くらいだけど、に教えてもらった店に入った。それが大正解。酒の種類も多く、礼儀正しくも気さくな店主がカウンターのなかに立っていた。同僚ともども、徳島らしい空気が満ちたBarのなかで、夜半を過ぎても飲み続けた。街の特性、を強く感じた嬉しい初日、だった。
