昨夜のもっきりや。Helge Lien Trio。実は良く知らなくて、K君に教えてもらって行ったのだけど、予想を激しく裏切る、激しくも美しいものだった。ヴァイキングの末裔と分かる大きな体躯で、楽器を鳴らしきる強靭さと、ふっと流れる美音、その無限の繰り返しのような1時間半。
1970年代のキース・ジャレット・トリオ(ヘイデン、モチアン)が持っていた多様性、美しさに、強靭さ、稠密さを加えて完成させたトリオ。ECMのなかでキースが失ったもの、フォークロア的な香りのfree form のimprovisationに強く惹かれた。
それにしても大きな音量のベース、様々な音色を楽しませてくれたドラム、彼らの対等な会話のなかで強いグルーヴ感(黒人のそれとは違うが)が沸いては消えて行く。カタルシスに向けた集中が凄まじい。
あと特筆すべきはPAの良さ。PA技術者も帯同しており、完璧なバランスでストレスが全くない、恐ろしいほどの快適空間が提供された。終演後、PAの彼にも拍手。
40人ほどの気持ちの揃った聴衆ともども体験したあの時間の素晴らしさ、にしばらく酔い続けるだろう、と思う。
Helge Lien(p), Frode Berg(b), Per Oddvar Johansen(ds)
Svein Graff (PA engineer)