K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Claudio Cojaniz, Franco Feruglio: Blue Africa (2013) 今ジャズを聴くということ(中川本のことも)


 このアルバムを昨日買った。ステファノ・アメリオって人の録音がいい、って話だったので。

 演奏そのものは、まあまあ。タイトルからティケッシュのような「きついアフリカ」の鼓動が押し寄せてくるようなもの、を勝手に想像していたが、緩い演奏。少々物足りない。まあアフリカの半分を制圧した国(フランス)と、フランスから武器を買った(武器商人の一人がランボウ)エチオピアに大敗したことがある国(イタリア)の違いかな。気分によっては、とても楽しめそうな気はするのだけど

 録音は素晴らしい。眼前にピアノとベースの音が広がる。ボクが古い録音のLPレコードに強く惹かれるのは、奏者と聴者との間の距離感。とても近い。テクノロジーの優劣を越えた、音の迫力がそこにある。そのLPレコードで得られる音の快感が、優れたディジタル・テクノロジーによる更なる美音で提供される。ある時期、21世紀に入って暫くしたら、からのCDの音の素晴らしさに驚いてしまう。新しい録音については、まったくアナログ盤に固執する理由がない。あの奏者と聴者の距離感の悪さ、が消えている。だから、中川ワニさんが2005年くらいから、レコードからCDに切り替えた、ということが凄く分かる。そのことを「頭」でなく「体」で知るには、音の良い装置で音量を上げれば良い、ということ。それもワニさんとの話で伺い、最近になって体が分かってきた。これって、何が変わったのだろう、かつてのCDから。ボクのなかで謎が増えた。

 ボリュームを一つ上げると、そこには息づかいまで聴こえてきそうな、濃密な会話が見えてきた、のである。

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Claudio Cojaniz, Franco Feruglio: Blue Africa (2013, Caligola)
1. Shining Kilimanjaro
2. Blue Africa
3. Lion's Trip
4. Ya-Hamba
5. Quicksand
6. Prayer
7. DK Blues
8. Freedom And Flowers
9. Magic Wave
10. At Nightfall
11 . Gerson "The Dog" Rumba
Claudio Cojaniz(p), Franco Feruglio(b)
Recorded By, Mixed By, Mastered By – Stefano Amerio