K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Still life 1@Dec. 1 : 今朝の窓の外、南の山嶺


 SNS やブログは補助記憶装置、として使っている。ある時期から、記憶の密度、のようなものが薄れ、淡い印象しか残っていないことに気がついた。その薄れいく印象のようなものをコトバや写真でピンを止めようと思った。子供の頃の夏の夜、広場で見た幻灯のように、何かを見たときの心象風景が画面に流れていけば、いいな、って思った。そのための写真で技量なんて、あったもんじゃない。

 1983年夏に鎌倉の近代美術館で見たマン・レイ展で衝撃を受けた記憶がある。白黒写真を撮ってみたいな、と思って、カメラを手にしたが、コダクローム36枚撮りを幾つも転がしても、無駄だったなあ。早々に放棄。

 金沢の地にやってきてから、光と翳りを見つめ続けている。空、山を眺め続けている。モノクロームのグラデーションが美しい、晩秋から冬へ、急坂を転げるような日々が面白い。だから、笠舞の丘の上に移り住んで、空を眺めて過ごしている。

今朝も雲が流れていた。光が千々に乱れて、様々な文様を作る。白黒写真にしなくたって、ほとんど色彩はなかった。水墨画を窓越しに眺めているような時間だった。そんなことを思いながら住んでいる金沢の冬も6回目、なんだけど、まだ飽きていない。こうやって写真を眺めて、あの鉄塔の向こうが内川あたりか、なんてぼんやり釣りを思い出したりしている。