K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

渋谷毅・平田王子@もっきりや(2015-2-21)歌伴の美しさ

  はじまる前から、もっきりやのなかには緩い空気が流れていた。ほろ酔い、に違いない渋谷さんがウロウロして、話をしている。そんな訳で、すっとライヴがはじまった。ボッサ、なのだけど、ブラジルのあれ、であるようで、和風の感じ。タラコのパスタのような味わいじゃなかろうか。ピアノの横にはグラス。軽く酔ったときの気持ちよさ、そんな空気が最後まで。

 平田さんのギターで刻むリズムに緩く、音数が少ないピアノの音が流れていく。かなり心地よい時間。また平田さんの声、の後ろでポロポロ流す音の絶妙さ、音の美しさも素晴らしい。浅川マキさんとの共演盤で、時折、はっとさせられる、歌伴の美しさ、それをたっぷりと味わった。本当に随分前から楽しみにしていた音が、あたかも日常のように、ゆるりとはじまり、ゆるりと終わった。最後の曲(アンコール)で、気合いを入れた演奏、後ろで平賀さんが「これだけがジャズだねえ」、が意表を突いたのだけど、ボクが聴きたかった音をしっかり聴くことができた。そして、再び聴きたい、と思った。前回のもっきりやのヘルゲ・リエンと対極の音世界、だった。

 演奏後は持参したレコードにサインを。Trio/NadjaのDream。懐かしいなあ、と裏面にサイン。これって1000枚もプレスしてないんだよなあ、ライナーノートに良く書いてもらって、と、40年前のレコードを懐かしそうに眺めておられた。

渋谷さん、平田さん、ありがとうございました。また金沢へどうぞ。

追記:4月のもっきりやに、ECMのrecording artistsが来ます !